買い上げには、さまざまな場合があるが、国や地方公共団体が私有地を買い上げるときのことを指すのが
一般的です。多くの場合、それは自然環境保全対策のひとつです。
昨今の自然破壊の急激な進行を防止し、優れた自然環境を保全していくためには、現行の自然公園などに
基づく規制措置だけでは、もはや万全を期せなくなっています。
とくに日本のように、土地の所有権にかかわらず公園として指定する、いわゆる地域制国立公園にあっては、その地域内に相当範囲にわたり私有地が含まれています。
そのため私権との調整上の摩擦が生じ、自然保護の徹底ができない場合も多い。
そこでこれを打開し、将来にわたり安定した形で自然環境を保全していくためには、自然保護上重要な
地域を公有化することが必要です。
そのため、1970年代の初頭から、土地買い上げ制度検討のための調査を行うとともに、
交付公債により土地の公有化を推進しています。
不動産の「買い換え」の際、手持ちの物件が売却できない場合に備えて、売買契約に白紙解除できる旨の
特約をつけることを「買い換え特約」といいます。
今まで住んでいた住宅や敷地を売って、新たに居住用の住宅や敷地を買うことを「買い換え」といいます。
この「買い換え」を行うときに、手持ちの物件が売却できないと資金繰りなどで非常に困ることになるので、
売買契約に、「○月○日までに○○万円以上で手持ち物件が売却できなかったときは、本契約は
白紙解除できる」旨の特約をつける必要があります。このような特約が「買い換え特約」です。
なお、買主が白紙解除した場合、
1.売主が契約締結時より受領した手付金や代金を返却するか否か
2.買主に損害賠償の義務が存在しないこと
などの事項を明記しておく必要があります。
買い換え特例とは、不動産の譲渡益に対して課税される税金に設けられている特例のこと。
居住用住宅を売却して得た利益(譲渡益)を、別の住宅の買い換えに充てた場合に、譲渡益に対する
課税が、買い換えで取得した住宅を売却するまでかからなくなる制度。
2006年中に条件を満たす住居を買い換えた場合に、特例を選択することができる。
買い換え特例は、所有期間10年以上など一定の条件を満たす住宅の買い替え時や、相続などで取得した
住居で、所有した居住30年以上などの条件をクリアできる場合の買い換え時に利用できる。
3000万円の特別控除との併用はできない。
開口部とは、住宅の壁や屋根などに設置された窓や出入り口のことです。
採光、換気、通風、通行、眺望などの役割を果たします。
開口部には、それぞれ設置する場所や用途によってさまざまな大きさや形状があります。
それらの配置の仕方や大きさによっては建物の躯体の強度に影響を及ぼすことがあり、
またその断熱性によっては冷暖房効率や、住宅内の温熱環境に違いが出ることがあります。
中古住宅などで、気に入った物件があったときに、購入の意思表示・交渉順位確保のため
買主側で発行し、売主に差し入れる書類のこと。
慣習として差し入れるものなので、決まった定型フォームは無い。
また、購入申込書・購入証明書・買入証明書などと、業者によって書式の名称も違います。
開発許可とは、市街化区域で一定規模以上の開発行為を行うものに都道府県知事の開発許可を
義務づけた制度です。
この制度は、乱開発を防止し、計画的な街づくりを推進することを目的とした制度です。
市街化区域では、基本的には1000平方メートルを超えて土地の区画形質の変更(切土、盛土などによる
造成や道路・水路などの区画変更)を行う開発行為(一定規模の宅地開発など)は、
事前に都道府県知事に届け出て許可を得なければなりません。
また、この許可を得るためには、開発行為に公共施設(道路や公園、公共空地、給排水設備、
防災設備など)の設置が義務づけられています。
なお、都市計画法および宅地造成等規正法の改正により、市街化調整区域の開発は原則として
禁止されました。
建築物の建設などの開発をする行為のこと。
開発行為を行うには、都市計画法で定められた開発許可をうけなればならない。
具体的な開発行為とは、建築物の建築(宅地造成)や特定工作物の建設などのことで、またその為に
土地の区画形質を変えること(土地の区画形質の変更)も開発行為であるが、そのすべてが開発許可を
必要とするというわけではなく、開発許可が不要な開発行為もある。
いったん滅失した登記を回復させるための登記を、回復登記といいます。
登記の全部または一部が不適法に抹消された場合に、抹消された登記を元どおりに回復させる登記を、
抹消回復登記といいます。
抹消回復登記では、登記上の利害関係がある第三者がいる場合には、その第三者の承諾があるときに限り、申請を行うことができます。
なお、2005年の不動産登記法の改正以前には、火災や地震などで登記簿が滅失した場合の滅失登記が
定められていましたが、廃止されました。改正法では、登記記録が滅失した場合の回復措置が
定められています。
賃貸借・雇用・委任・組合などのような継続的契約関係を、契約当事者の一方の意思表示によって
消滅させることを「解約」といいます。
契約の「解除」の場合は、その効力は過去にさかのぼる(原状回復義務が生じる)のに対して、
「解約」の場合は、将来に向かってのみ効力が生じるとされています。
しかしながら、実務上は、「解除」と「解約」の区別は明確ではありません。
いったん締結した契約を、理由のいかんにかかわらず、後で解除することができる手付を
解約手付といいます。
相手方が履行に着手する前までは、手付金を支払った者は手付金を放棄し(手付流し)、
相手方は手付金の2倍の額を返却すれば(手付倍返し)、契約を解除することができます。
履行の着手とは、買主が代金の一部として内金を支払ったり、売主が物件の引渡しや登記の準備を
始めたことなどをいいます。
手付には、解約手付の他に、契約成立を証する「証約手付」、債務不履行の際の損害賠償の予定、
または、違約罰としての「違約手付」があります。
1個の建物ごとに登記簿の表題部に記載される番号のことを、家屋番号といいます。
原則として、地番区域ごとに、建物の敷地と同一の番号になります。
例えば、甲建物がA市B町一丁目二番にあると、家屋番号は「二番」になります。
ただし、甲建物と同じ敷地に乙建物が新築されたときは、家屋番号は「二番の二」となります。
なお、マンションのように、1棟の建物が区分所有されている場合は、専有部分の建物(マンションの1区画)
ごとに、家屋番号がつけられます。
価格表示で問題になるのは、なんといっても二重価格表示。買手の心理をついた、根拠のはっきりしない
二重価格表示は今日も広告紙上にあふれている。
「20パーセント・オフ」や、旧価格を線で消して「特価2万円」など、実際に販売する価格と比較対照価格を
同時に表示するのが二重価格表示。昭和40年代前半、とくに小売で大きな問題となった。
その後、一時的には沈静化の傾向にあったが、現在再び、二重価格表示の問題がクローズアップされている。不動産業界においても、やはり、二重価格表示はつねに問題視されてきた。
不動産物件については、表示規約という取り決めがあり、交通、所在、面積、環境、価格などについて
表示基準、不当表示の基準などが定められている。これに違反すると不動産公正取引協議会から警告や
違約金が課せられるが、やはり現在でも、根拠のはっきりしない二重価格表示は後を絶たないようだ。
損害保険の一つで、建物や建物内に収容された物品(住宅内の家財用具、工場などの設備や商品の
在庫など)の火災や風水害による損害をカバーする保険である。
<特約火災保険>公庫融資、財形融資などを利用して住宅を購入する際に加入しなければならない
火災保険のこと。保険料は、一般の火災保険に比べ、50%程度安くなっている。銀行融資を受ける時も
同様の保険加入を求められるのが一般的。なお、地震や噴火、津波などによる損害は、特約火災保険の
対象ではなく、任意の特約地震保険に加入しないと補償されない。
売買の目的物に隠れた瑕疵があった時に、売主が買主に対して負う責任のこと。契約時には
分からなかったが、「建物にシロアリが付いていた」など取得後に損害を受けた時には、買主は売主に
損害賠償の請求ができる。また、瑕疵のために契約の目的が遂げられなかった時は契約を解除できる。
平成12年4月に住宅品質確保促進法が施行され、新築住宅の基本構造部分において、完成引渡し後、
10年保証が義務づけられた。
その建物や工作物を完成させる為に一時的ではあるが必要な施設や設備工事のことをいう。
それらの種類には、仮囲をはじめ、仮設事務所や保管倉庫、足場、その他の機械設備などをいい、
その仮設工事よって建設された仮設建築物は工事完了時には撤去される。
これらの建物は確認申請は必要でない。
仮設モデルルームとは、販売者が分譲住戸の完成後の実物大モデルを仮設に展示し、
購入希望者に公開するために造られるもの。家具や照明器具が備えられ、実際の生活を
想像しやすくしている。
モデルルームには、棟内モデルルームもあり、この場合、実物そのものが確認できる。
モデルルームを見学する際は、部屋の内法や、近所に何があるかなどを確認したほうがいい。
課税標準額とは、固定資産課税台帳に登録された不動産の価格のこと。固定資産税の税額計算の
基礎となる。所有している土地や建物には、固定資産税がかかる。この固定資産税の税額を計算する際の
ベースとなるのが、課税標準額だ。課税標準額は、原則として固定資産税評価額と同じ価格になる。
ただし住宅用地や新築の住宅・マンションなどは、特例により課税標準額が軽減され、固定資産税の
負担も軽くなる仕組みになっている。
不動産用語でいう片手(カタテ)とは「片手手数料」のことで、不動産業者が、売主もしくは買主の片方から
仲介手数料をもらう際に使用される用語です。
賃貸の物件を契約する場合は、主に家賃の1ヵ月分もしくはその半分を不動産業者に支払います。
これが「片手手数料」です。
金物(カナモノ)と呼ばれるものには、「鍋・釜」類、「利器・工具」類、「建具金物」、「家具金物」などがあります。
不動産や建築では、ドア錠・ノブ・ドアチェーン・取っ手など、ドアの開閉に関するものやカーテンレールなどの「建具金物」、収納家具の取っ手・蝶番・引き手・本体締結金具・耐震金具などの「家具金物」が重要です。
軸組みとしてふだん見えない建物の構造部分でも現在は集成材を使っているため、強度を維持するために
金物で建材と建材を留めたものが多く使われています。
カビが発生する条件はまず栄養だが、食品だけがそうなのではない。木材、畳、壁、布、革製品、ガラス面、
タイル面、コンクリート、金属、接着剤のほか、ありとあらゆるものを栄養源にして生える。
日本はもともと湿気が多くカビの生えやすい気候。カビ対策には慣れているはずだが、そのカビの害が
いま新たにクローズアップされるのはなぜだろうか。これは、おもに建物の構造にその理由があるようだ。
現代のRC(鉄筋コンクリート造)やSRC(鉄骨鉄筋コンクリート)などは、機密性の高い作り。
そのぶん、一度水分を吸い込んだら、乾くための新しい空気が入ってくる隙間がない。
また機密性のせいで温度も保たれやすいので、カビにとっては絶好といえる場所が部屋の中にも、
壁の中にも増えたのだ。カビは、ハウスダストの主原因であるダニのえさにもなる。
たかがカビ、ではすまなくなっている。
建物の構造形式の一つ。主要構造を板状の壁や床で支える工法のこと。柱や梁がないため建築コストが
比較的少なくて済み、主に低層マンションなどの小規模な鉄筋コンクリート構造の建築に使われている。
柱や梁がない分、開口部を広くとれ、室内はすっきりとしているが、二つの部屋の間の壁を取り払って
広い間取りに変更する等のリフォームには対応しにくい面がある。
現在借りているローンを、より金利の低いローンに切り換えること。公的融資を銀行ローンに、
またはA銀行からB銀行へ換えるパターンがある。以前は物件の担保評価がローン残高より低いと
借り換えられなかったが、最近は、担保割れが1000万円までなどと一定の範囲以内であれば借り換えが
可能な銀行も増えてきた。借り換えは、前のローンを精算して新たにローンを組むのと同じなので、
抵当権設定登記などの諸費用がかかる。
土地区画整理事業の円滑な進捗と関係権利者の権利関係の速やかな安定を図るために、
土地区画整理事業の施行者が、換地処分を行う前において、施行区域内の従前の宅地について仮に
使用収益できる土地を指定する処分を仮換地の指定処分といい、このようにして指定された土地を
仮換地という。仮換地の指定処分がなされると、従前の宅地の権原に基づいて使用収益をすることが
できた者は、仮換地の指定の効力発生の日から換地処分の公告がある日まで、仮換地について従前の
宅地について有した権利の内容である使用収益と同じ内容の使用収益ができるが、従前の宅地については
使用収益ができなくなる。
不動産の購入者が必要な代金を支払ったにもかかわらず、所有者が、所有権移転登記を拒んで
いるような場合に買主は、所有者が他に物件を売ることを禁止するよう裁判所に申請をすることができます。
その申請を受けた裁判所は、所有者に対して「処分禁止の仮処分」の命令を出し、
同時に登記も行われます。これが仮処分登記(カリショブントウキ)です。
不動産の所有者が二重売買を行うことを防止するために作られました。
仮住まいとは、家の建替えやリフォームなどにより、工事期間中住む家のことです。
リフォームでは、その範囲や規模によって住みながら工事を進行させる場合と、一定期間仮住まいが
必要になる場合があります。建替えの場合は、3ヶ月から半年程度はみておく必要があります。
仮住まいについては、工務店やハウスメーカーで紹介してくれるところもありますが、仮住まい専門の
不動産紹介会社や、週単位、月単位の契約ができるウイークリーマンションなどを利用することもできます。
また、その間の家財の保管についても、事前に見通しをたてておきましょう。
手続き上あるいは実体法上の要件が完備していない場合に、将来の本登記の順位を確保するために
なされる予備的な登記を、仮登記といいます。
本登記とは、所有権移転登記のように実際に権利の移動が行われたときにされる登記をいいます。
「手続き上の不備」とは、本登記のための書類などが備わっていないことをいい、「実体法上の不備」とは、
売買契約が予約の段階で止まっている場合などを指します。
(この場合の仮登記は「所有権移転請求権仮登記」といいます)
仮登記には対抗力(第三者に権利を主張する効力)はありませんが、後日、本登記がなされた場合は、
仮登記の順位が本登記の順位になるという、順位保全効力を持っています。
仮枠とは、コンクリートを打ち込むための枠組みをいいます。
コンクリートを設計上の形状や厚さに流し込み、必要な強度になるまで支持する型枠のことです。
コンクリートを流し入れると相当な重圧がかかるので、たわみが生じないよう強度が必要です。
また、仮枠の表目にキズや汚れがあると、コンクリートの品質に影響します。
コンクリートを打ち込んで5日程度の養生の後、仮枠は取り外されます。
仮枠の材料には主に仮枠用合板が用いられますが、最近では再利用や施工性の点から、また、合板の
値上がりなどの問題から、ステンレス製やアルミ製、プラスチック製のものも使われています。
また、コンクリートが固まった後も外さない「仕上げ兼用の型枠」も出ています。
瓦を使って屋根を覆うことを「瓦葺き」という。
瓦を葺く工法は、瓦を銅線や釘で止める乾式工法が現在では一般的となってきている。
環境アセスメント(環境影響評価)とは、事業者がダム建設やマンション建設などの大規模な開発事業を
始める前に、その事業が周りの環境に及ぼす影響について調査し、その影響を予測、評価する一連の
手続きのことです。
事業者の調査の結果は地方自治体に提出されるとともに一般にも公表されます。
そして市や地域住民の意見を参考にして、事業をより環境に配慮した望ましいものにしていこうという
仕組みです。
環境共生住宅とは、地球環境保全、周辺環境との親和性、居住環境の健康・快適性の3つの目的が
バランスよく実現した住宅をいいます。
地球温暖化防止計画の一環として、住宅分野において、業界や学識経験者からなる
「環境共生住宅推進協議会」が発足し、1998年より「環境共生住宅認定制度」がスタートしました。
この制度は、認定基準に基づいて、財団法人建築環境・省エネルギー機構が認定するもので、
環境共生住宅の普及を図ると同時に環境への配慮を広く啓発することが目的です。
認定基準は、省エネなどの4分野(7項目)の基本性能をすべて満たしたうえで、より高度な提案が4本柱の
うち2本以上あることとなっています。
観光地区とは、観光資源の保全増進などのために指定された特別用途地区のことをいいます。
特別用途地区内では、自治体は条例を制定することによって、独自の制限または制限緩和を
地区指定できます。
観光地区は、自治体のこのような権限に基づいて指定された地区のひとつです。
そのため、制限の内容も各自治体の条例によってさまざまです。
一般的には、景観保護のために開発・建築制限などがなされます。
完成在庫とは、分譲マンションなどが、完成したのにもかかわらず、売れ残っている住戸の在庫のこと。
多くのデベロッパーの事業収支は、建物完成までに全戸完売することを前提に組まれているので、
極力、建物が完成するまでには、全て売れるような営業計画を立てる。
しかし、実際には売れ残ってしまう場合もある。これが完成在庫だ。
ちなみに、デベロッパーなどの販売目標として、販売開始から3カ月くらいまでに完売することが
理想とされている。
完成予想図とは、建物が完成した場合のイメージを図示したものです。
パンフレットや物件のホームページなどに掲載され、イラストやCGによって美しい建物が描かれています。
完成予想図は図面から描き起こすので、建物をイメージするには役立ちます。ただし、周辺環境や
植栽などは事実に忠実とは限りません。たとえば、これから植栽をほどこす予定であっても、
植栽が成長した場合を想定して緑豊かな環境が描かれていることもあります。また、実際には電柱や
電線があったり、商店などが立て込んでいても、これらを描いていないことが多いようです。
完成予想図には、その旨(完成予想図であること)と、植栽などは実際と異なる旨が表示されています。
精密なイラストでは実際と見間違うほどのものもあるので、注意しましょう。
換地処分とは土地区画整理事業における最終的な権利変換のことで、関係権利者に対して換地計画に
定められた関係事項を通知することにより行われ (区画法103条1項)、原則として換地計画に係る区域の
全部について土地区画整理事業の工事が完了した後において遅滞なく行わなければならない
(区画法103条2項)。
換地処分をした場合には建設大臣または都道府県知事によりその旨が公告される。(区画法103条4項)
建物を建てるときや土地の測量を行うときに、道路・水路などの国や地方自治体所有地と民有地の境を
確認することをいう。土地家屋調査士などを代理人として依頼して境界確認の申請を提出する。
不動産に関して「管理会社」という場合、マンションの管理組合から管理の委託を受けた専門業者の
ことをいいます。すなわち、マンション管理事業者のことを「管理会社」と呼んでいます。
マンションの管理事業者は、登録制度により国土交通省の監督下に置かれています。
「管理会社」は、適正な管理をするために、マンション管理法に従って委託契約前に重要事項を説明したり、
契約後管理状況の報告をすることなどが義務付けられています。
建設工事を適正に実施するため、施工計画の作成、工程や品質などの管理及び施工に従事する者の
技術上の指導監督を行う者のことです。
建設業法の規定では、建設業者は、請け負った工事を施工する場合に、請負金額にかかわらず、
工事施工の技術上の管理をつかさどるものとして、必ず現場に「主任技術者」を置くことを求められています。また、発注者から直接工事を請負い、そのうち3,000万円(建築工事業の場合は4,500万円)以上を
下請契約して工事を施工するときは、主任技術者に代えて、「監理技術者」を置くことが
義務付けられています。
つまり特定建設業者が元請として外注総額3000万円以上の工事を請け負った場合に、現場に
配置しなければならない、一定の国家資格を有する、または国土交通大臣に特別に認定された、
技術者のことです。
管理業務主任者とは、管理業務主任者試験に合格し、管理業務主任者登録簿に登録され、
国土交通大臣から管理業務主任者証の交付を受けた者のことをいいます。
マンション管理業者は、管理組合と管理委託契約を結ぶ際に、管理業務主任者にマンション所有者や
管理者に対して重要事項の説明をさせなければなりません。
また、毎年、管理業務主任者によって、管理事務に関する報告などをさせる義務があります。
これらの義務が十分に果たせるように、マンション管理業者は、事務所ごとに一定の割合
(30の管理組合から委託を受けるごとに1名)で、専任の管理業務主任者を置くことになっています。
管理組合とは、マンション・敷地・付属施設の管理を行うための団体のことをいいます。
区分所有法に従って、マンションの所有者全員で結成されます。
管理組合は、マンション管理に関する事項を決定・実施するために、集会を開いたり、規約を定めたり、
管理者を置くことができます。管理組合が適正・活発に活動するほど、マンションの住環境が
より良いものとなります。
管理組合法人とは、区分所有法によって法人と認められたマンションの管理組合をいいます。
法人となるには、マンションの集会での特別決議(マンション所有者数および議決権の4分の3以上)が
必要です。法人になることで、管理組合名義の登記や預金が可能となったり、対外的な法律関係が
簡明になるなどのメリットがあります。
なお、以前はマンション所有者が30人以上でなければ法人になれませんでしたが、
2002年の法律改正によりこの制限はなくなりました。
管理形態とは、マンションの管理人の勤務形態によって分類される管理のあり方のことをいいます。
管理形態には、
●住込管理(常駐管理)・・・管理人が住み込んで勤務する形態
●日勤管理・・・管理人が通勤する勤務形態
●巡回管理・・・管理人が定期的に巡回する勤務形態(例えば、週3回のゴミの日に見回りをするなど)
●無人管理(自力管理・自主管理)・・・管理人を置かない形態(例えば、清掃のパートタイマーを雇うなど)
などがあります。
管理費とは、マンションなど集合住宅で、共用部分を管理するための費用をいいます。
共益費ともいいます分譲マンションの場合は管理組合が毎月徴収し、賃貸マンションやアパートの
場合には家賃と別に支払うケースと家賃に含まれるケースがあります。共用部分とは、エントランス、
廊下、エレベーター、共用施設などのことで、維持管理のための人件費、水道光熱費、エレベーターなどの
保守点検費などさまざまな費用がかかります。分譲マンションでは、区分所有者(住人)がその持分に
応じて費用負担をする必要があり、費用負担の割合は一般的には専有面積の比率によってきまります。
ただし、管理規約で定めれば、費用負担を一律にするなど、別の方法をとることも可能です。
「ガーデニング(gardening)」を直訳すると園芸や造園術といった意味。石や池と組み合わせて草木の
形を愛でる日本庭園に対して、花を観賞することをメインにしたイングリッシュ・ガーデンが1990年代
半ばころから流行。そのころから、 庭づくりのことをガーデニングと称するようになった。
現在は、マンションのバルコニーなどで楽しむベランダ園芸や鉢植え、エクステリアの一部も含めて、
広く園芸一般をガーデニングと呼ぶ。
建物周辺の門塀や植栽などのこと。マンションの場合は、敷地内の植え込みや、敷地外の街路などを
外構という。
建築物を断熱材ですっぽりと覆う工法のこと。蓄熱性のあるコンクリートを外から守ることで、室内との
同調化が図れる。建物の寿命も延びる。また、躯体の温度変化が小さいため結露によるカビ・ダニの
繁殖を防ぐことができる。日本では認知度が低く建物の内側から断熱する“内断熱”が主流。
外壁とは、外気に面し、気候、火事、地震などから屋内を守る大事な部分。外壁に使われる材質・
工法には、
「サイディング」「吹き付けタイル」「リシンかき落とし」「ALC版」などがあります。
外壁工事とは、家の外観を決めると同時に、家を支え、耐震・防火構造で家を守る、基礎工事と
同じくらい重要な工事です。外壁工事では、断熱材がすきまなくはいっているかチェクしましょう。
外壁に使われる材質には、板状のアルミ、合板、繊維板、鉄板、タイル、ALC(軽量気泡コンクリート)などが
ある。その工法としては、サイディング法、吹き付けタイル法、リシンかき落とし法などがある
外壁材に求められるものは、耐久性、耐水性、遮音性、断熱性に加えて、デザイン性や施工性。
その家のイメージを決めるものだから慎重に選びたい。現在、一戸建てで選ばれる外壁材は、
サイディングや塗り壁、モルタル、タイルなどが一般的です。色はベージュ、ブラウン系、グレー系が人気。
サイディングには、窯業系、金属系、木質系があるが、いずれも工場生産のため品質が一定で
比較的低価格というメリットがあります。また、サイディングは、ブロック状の部材を下地の合板に釘で
打ちつけていくだけなので施工性もいい。仕上げもタイル風、石積み風、板張り風と多様で美しい。
モルタルは、セメントと砂、混和材を混ぜ、水を加えて練ったモルタルを下地に、樹脂系の素材を
吹きつけたり、こてやローラーで多様な模様を施したりといったものがよく見られる。
タイルは汚れがつきにくく、メンテナンス不要なのが魅力だが、コストが高くなります。
外壁補修工事とは、外壁についての問題についてとくにひびが入ったなどの状態を直す工事のとこで
あるといえるでしょう。
それはどのようにするかといえば、ひびがあったならその部分を修理しやすいように、場所を整えます。
そうしてからシーリング材かまたは樹脂モルタルを溝に詰めていき残りを取り除くといったことをします。
これはとくにひびが目立つときに行うといえるでしょう。
画地条件のひとつ。鑑定評価では、その傾斜度が大きく、通常の方法・費用では、近隣地域の標準的使用、たとえば宅地地域にあっては建物の敷地としての使用が不可能または著しく困難な土地を崖地(法地)と
いっています。崖地が単独で使用されることは少なく、通常は平坦地部分に付随する部分として、
たとえば、平坦な宅地の庭先に崖地があるという形で使用されています。
その場合、平坦地部分から境界方向へ下っている下り崖地と、その逆の上り崖地があります。
下り崖地については、そのまま庭として使用できる場合には減価は少ないです。
ピロティなどで支える人工地盤を構築して平坦地に準ずる使用ができ、これが合理的な場合は、
そのための費用を控除した価額をもとにして評価されます。また、下り崖地を含むことから、眺望、日照、
通風などにプラスとなる面もあります。また、崖地は、強雨・地震などで崩壊する危険性があり、
斜面勾配30度を超える崖地については、その崖高の2倍以内の距離の位置に建築物を建築するなどの
場合には、所定の擁壁を設置しなければならないなどの規制が県条例等で定められています。
なお、崖地部分も、建築基準法上の建ぺい率、容積率の算定の基礎となる面積に含まれます。
学校選択制とは、地域ごとに学区制になっていた公立小中学校で、学区外の選択を可能にした制度です。
公立学校での学力低下や不登校問題などを背景に、教育のあり方が議論されていますが、
学校選択制は教育改革の1つの試みです。2000年に東京都品川区で小学校を、翌年に中学校を
選択制としたことを皮切りに、全国各地で同制度の採用が進んでいます。
2004年に文部科学省が実施した調査では、制度の導入率は全国の小学校で8.8パーセント
(検討5.8パーセント)、中学校で11.1パーセント(検討9.5パーセント)となっており、実際に学区外を選択した
理由としては「家庭の事情やいじめ、不登校」が最も多いという結果が出ています。
合掌造りとは、豪雪地帯に作られた大型の木造家屋で、ふたつの木材を山型に組み合わせて
造られた建物が、合掌した手に似ている日本家屋のひとつ。
岐阜県の白川郷の合掌造りは、世界遺産に登録される程、貴重な建築物となっている
利息を除いた元々の借り入れた金額のことです。借入金額の総額を指す場合と、元金(ガンキン)
均等返済における利息以外の部分のように、借入金額の一部分を指す場合があります。
元金均等返済とは、借入金の返済方法の1つで、元金を毎月一定金額ずつ返済する方法のこと。
元利均等返済と比べて支払残高の減り方が早いため、利息の総支払額が少なくなるメリットがあるが、
当初の返済額が多いため利用が困難な場合もある。
マンションなどの各住戸をそれぞれ斜めにずらして建てる工法のことです。
雁の群れが斜めに列をなして飛ぶ姿から名付けられました。この工法ではすべての住戸が角部屋になり、
日当りや通風の面で優れているとともに、各住戸の独立感や開放感が高まるといわれています。
住宅ローンの返済方式には、「元利均等返済」と「元金均等返済」があります。
元利均等返済とは、毎月の返済額を返済開始から終了まで一定にする返済方式です。
この方式では、毎月の返済額が同じなので、将来の見通しがたてやすいというメリットがあります。
ただし、ローンの返済額は元金と利息を合計したものなので、返済額に占める元金と利息の割合は
毎回異なり、返済開始初期には利息の比率が高く、なかなか元金が減りません。そのため、
元金均等返済に比べて、支払利息の総額が高くなるというデメリットがあります。
期間短縮型とは、住宅ローンの繰り上げ返済の方法の一つです。
繰り上げ返済の方法には、期間短縮型と返済額軽減型の2つの方法があります。
繰り上げ返済の返済額は元金に充当されるため、それだけ利息が軽減されます。特に期間短縮型では
効果が大きく、返済開始から早い時機に繰り上げ返済をするほど、住宅ローンの総返済額を少なく
抑えることができます。
売買契約などで、引渡しを受けるまでの間に、売主、買主いずれにも非がなく、目的物の一部または
全部が滅失したり毀損したりした場合に、負担の分担をどうするかについて決めることを、
危険負担といいます。
例えば、家屋の売買契約が締結され、まだ引渡しが終わっていない間に、隣の失火で
類焼してしまったとか、地震で家がつぶれてしまったというような場合に、買主は代金を支払わなければ
ならないかという問題が生じてきます。
この場合、売主、買主とも責任はありません。これを、不可抗力といいます。
民法では、買主が損失(危険)を負担しなければならないと定めてあります。
しかしながら、不動産取引の実情とは違っていますので、売主、買主双方の合意で、
売主の負担とする特約を結ぶのが一般的です。
基準地価とは、各都道府県の調査を基にして9月下旬に公表される地価指標の一つです。
正式には都道府県基準地標準価格といい、7月1日時点の土地価格の調査を基にしています。
国土交通省が公表する公示地価と同様な公的な指標です。地価の適正な価格を知る目安となり、
また地価の動向を把握するために重要なものです。公示地価と同じく、住宅地、商業地、工業地など
用途地域ごとに各地区の基準地が選ばれ、1平方メートル当たりの単価で表示されます。
基礎工事とは、建物の土台となる部分の工事のことです。戸建て住宅の場合、地縄を張り、
基礎の形に合わせて地面を掘り、底に割栗石(わりぐりいし、地盤をつなぐための砕石)などを敷き
コンクリートを打っていきます。基礎には逆T字型のコンクリートを打つ「布基礎」や地盤全体に
コンクリートを打つ「ベタ基礎」があります。
最近は、床下の防湿対策を兼ねて、ベタ基礎が最も多く採用されているようです。
既存宅地確認とは、市街化調整区域内にあって、市街化区域と一体的な日常生活圏を構成する
一定規模以上の集落内にあり、市街化調整区域とされた時点で既に宅地になっていた土地であることを
開発許可権者が確認することをいいます。従来、既存宅地確認を受けた土地については、建築行為許可が
免除されていました(既存宅地確認制度)。しかし、2001年にこの制度は廃止されたため、既存宅地で
あっても建物を建てるためには建築行為許可が必要となります
既存不適格建築物とは、建築時には適法であったものが、法改正によって不適格になった建物のことです。
建築したときは、建築基準法など当時の法令に適していたものの、法改正や都市計画の変更などにより、
現行の規定に適合しなくなった建築物のことをいいます。違法建築物とは異なります。
1950年に制定された建築基準法は、現在までに何度となく改正されてきました。そのために、建築時は
適法であったものでも、その後の法改正によって、基準を満たしていない建築物が多く存在することに
なりました。既存不適格建築物は、その建物自体は違法ではありませんが、増改築、
または再建築する場合には、現行の基準に適合させる必要があります。
北側斜線制限とは、南側にある建物の高さを制限して、北側の敷地の日照や通風を確保するものです。2002年の政令改正により、「北側高さ制限」という用語が用いられることになりました。「北側高さ制限」は、
第1種・第2種低層住居専用地域と、第1種・第2種中高層住居専用地域に適用されます。
北側斜線とは、自分の敷地と隣地との境界線(隣地境界線)の上で、地盤から5メートル
(第1種・第2種低層住居専用地域)のポイントを基準とし、そこから真北に向かって、勾配1.25対1の斜線を
指します。この北側斜線をはみ出して、建物を建てることはできません。
第1種・第2種中高層住居専用地域では、ポイントが地盤から10メートルになり、同様の斜線制限が
設定されます。
鬼門とは、丑寅の方角、つまり北東のことを指します。古来、凶方位として日本人に恐れられてきました。
これとは逆の南西も、裏鬼門と呼ばれ、同様に縁起のよくない方位とされます。とくに家を建てるときには、
鬼門にこだわる人が多いようです。日本は古来、学問的、思想的には中国を手本に仰いできたが、
陰陽五行説や鬼門思想もやはり中国から取り入れられたものです。ではなぜ中国で鬼門が
忌まれていたかというと、まず、北東からは異民族(匈奴)の侵攻が繰り返され、戦争と殺戮の歴史が
あったからです。また、南西は台風や季節風など自然の猛威が襲いかかってくる方位だったから、
ということのようです。これが、ちょうど北東から南西に延びる日本列島の地理にも合致し、
民衆に根付いたものと思われます。21世紀の現在でも、玄関が鬼門だ、鬼門に水周りがあるのは凶など、
多くの人が鬼門にこだわっています。
不動産の買い顧客(購入希望者)から依頼を受けて、物件情報を提供し、買主側にたって売買契約の
条件等の交渉を行うなどして、売買契約の成立に尽力する業者をいいます。これに対して、
売り顧客(売主)から売却依頼を受けて売買契約の条件等を交渉する業者を元付業者といいます。
客付け業者には、元付け業者が直接買い顧客を発見し、みずから客付け業者となる場合と、
元付け業者から流通機構等を通じて提供された物件情報をもとに、買い顧客を発見した他の業者が
客付け業者となる場合があります。
キャンチ構造とは、一端の固定支持のみで、片方支持のないもののこと。
街中で見かける上階の一部分が大きく張り出している構造がキャッチ構造である場合が多い。
支持が片方しかないため不安全に思われがちだが、現在の技術では、まず問題がないといわれている。
管理規約とは、マンションの管理・使用について所有者相互間で取り決めた規則のことをいいます。
管理規約には、共用部分の範囲や共有持分割合、専有部分の範囲、使用細則、管理・管理組合・集会・
理事会・会計等に関する事項などが定められます。
管理規約は、所有者相互の取決めで成り立っているので、実情に応じて、話し合いの上変更することも
できます。
区分所有建物の中の専有部分のうち、管理人室、集会室、物置、附属建物などは、本来、区分所有者全員の
負担、利益とするところである。
そこで規約により専有部分を共用部分にした区分所有を規約共用部分と言う。
登記簿の表題部に”規約設定共用部分”と登記することによって、第三者に対抗できる。
給水、給湯、排水、衛生器具および住設備機器の取付け、し尿浄化槽、消火設備などの工事の総称。
住宅での屋外給排水設備では、排水経路の問題が一番多く、屋内給排水設備では、給水音や排水音が
問題となることが多い。屋内給排水菅は仕上材に隠れてしまうので、完成した後で問題が発生しても、
直すことは難しい。配管施工時に適切な通気菅の設置、クッション材や吸音材の施工及び試験を
行なっていれば、問題の発生は少ない。
隣の土地(隣地)との境界線をはっきりさせることを、境界の明示といいます。
登記簿の公図には古いものが多く、土地の現況と一致しないことがよくあります。このため、
往々にして隣地との境界トラブルが発生することになります。境界線のトラブルを解決するには、
隣地所有者の立会いの下、土地家屋調査士などの有資格者によって測量するのが賢明です。
また、事前に登記簿の確認を行ったり、売買契約書に境界トラブルの条項を盛り込むことも大切です。
強制執行認諾条項とは、公正証書の中に含まれる文章で、債務不履行の場合には強制執行を受けても
異議はない、ということを認めるものを指します。金銭に関して問題が起きた場合です。
しかし、裁判になる前に双方の話し合いで和解が成立しました。こういう場合、どちらかがどちらかの
債務者、債権者となり、債務者から債権者へ一定の金額の支払いが取り決められるわけだが、
このことを公証役場へ届け、公正証書を作ってもらえば、この証書は裁判の判決と同じ強制力を持ちます。
その文書の中に、強制執行認諾条項が入っていれば、債務者が約束を破ると、債権者は起訴して
裁判をするまでもなく、公権力を使って取立てを強制執行できます。ただし、公正証書が力を持つのは
金銭問題だけで、たとえば不動産の明け渡しなどに対してはなにも実行力はありません。
供託とは、国の機関である「供託所」にお金などを預けることで、地代などを「支払ったこと」と同じ効果に
なる制度です。たとえば、地主や大家が行方不明になるなど、地代や家賃を支払えない状態になった場合、そのまま放置しておくと、借地権や賃貸借契約が解除されることにもなりかねません。
そこで、「供託所」に地代や家賃を預け、その後の適切な対処をしてもらいます。
供託所とは、法務局、地方法務局とその支局、法務大臣が指定する出張所などになります。
供託には、次のような種類があります。
「弁済供託」
賃借人に地代や賃料の弁済義務がある場合、賃貸人から受領を拒否されたり、賃貸人が行方不明だったり、誰が債権者か不明などのとき、供託をすると支払が済んだのと同じ効果が生じます。
「保証供託」
仮処分や仮差押を申し立てるためや、宅地建物取引業、旅行業、クレジット販売業などが営業活動を
行うために、供託が必要になります。そのほか、選挙に立候補するための「選挙供託」や、会社の
従業員などの給与を差し押さえた場合の「執行供託」、経営不振に陥った金融機関が監督省庁に財産を
保管する「保管供託」などがあります。
共同担保目録とは、同一債権の担保として複数の不動産に設定された抵当権について、登記記録として
添付される目録です。不動産の登記は「一不動産一登記」が原則で、抵当権も担保ごとに登記申請
しなければなりませんが、共同担保関係にある不動産に関しては、1枚の申請書に目録を添付して
登記申請ができます。この目録には、共同担保関係にある不動産の表示、抵当権者、
抵当権設定者などが記録されています。
競売物件とは、債務不履行によって差し押さえられた不動産が、地方裁判所によって競売に
かけられたものです。
不動産の所有者が債務を弁済できなくなると、債権者は抵当権の行使(任意執行)や強制執行によって、
該当物件の競売を地方裁判所に申し立て、裁判所がその物件を差し押さえて売却し、
売却代金を債務の弁済に充てます。これが競売物件です。競売は、執行官が現況を調査して物件の
評価をし、競売物件の所在地・最低売却価格・入札期日などを公示します。入札期間中に
最高額(最低売却価格以上)で入札した人が買受人となります。なお、期間中に売却できなかった場合には
最低入札価格を下げて、最初の入札者に売却する特別売却が行われます。
2人以上で別荘を共同所有するように、複数の人が1つの物の所有権を持っていることを、共有といいます。(所有権以外の権利は、「準共有」と呼ばれています)各共有者の持つ所有権の割合のことを
「持分」(もちぶん)、または「持分権」といいます。持分は合意または法律の規定で決まりますが、
それが明らかでない場合は均等とされます。
各共有者は持分に応じて、共有物の全部を使用できます。また、共有物の保存行為(修理など)は
全員一致で決まります。不動産の共有者は、各持分を登記しますが、これを「共有名義」といいます。
不動産用語での「共有施設(キョウユウシセツ)」とは、マンションにおいて共用部分に属するもののうち、
「独立」しているもののことをいいます。
駐輪場・エレベーター・集会室・倉庫などの「施設」がこれにあたります。
共用部分とは、分譲マンションなどの区分所有権建物で、専有部分以外の建物部分や付属部分のことです。
共用部分は広範囲に存在し、次のような部分となります。
・ 壁、支柱、屋根、基礎などの躯体・構造部分
・ エントランス、共用廊下、階段、エレベーターホール、機械室、車庫など専有部分に属さない建物部分
・ バルコニーやベランダ、メーターボックス、パイプスペースなど
・ 建物の付属部分(エレベーター設備、電気設備、給排水設備、インターネット通信設備など)
・ 管理人室、集会室など性質上共用部分とみなされるもの
・ 規約によって共用部分とされるもの
なお、共用部分は区分所有者全員で所有され、その持分は専有面積割合に応じて決められます。
狭い土地に建てられた住宅のことです。
一般的に15坪(約50平方メートル)程度の狭い土地に建てるために、3階建てにして床面積を増やしたり、
床下に収納スペースを設けたりすることが多いようです。
また、台形や三角形などの変形地が多いために、デザイン面での工夫も必要となってきます。
最近はテレビ番組で紹介されることもあり、注目されるようになってきました。背景としては、
地価の下落に伴い、郊外の広い一戸建てよりも狭くても都心に家を持ちたいという人々が増えて
きたためともいわれています。
居室とは、居住、集会、娯楽などのために使用する部屋のことです。
LDKや、子供部屋、寝室などがこれにあたり、トイレ、浴室、洗面室、玄関は居室には含まれません。
また、建築基準法で定める採光や通風等の要件を満たさないものは、居室とは認められず、
納戸といいます。
現在の地盤より低い位置に新たな地盤を設けるため、原地盤を切り取る土工事のことで、
丘陵地での宅地造成工事、山岳部の道路取付工事等の場合に行われる。
切土工事の場合、その地盤の土質の状況等により、あるいは切取高によって適切な方面勾配をとることが
必要となる。
金消会とは、新築マンションなどで購入者が集まって住宅ローンの契約を行うイベントです。
「金銭消費貸借契約会」の略です。イベントは物件が完成して引き渡しが行われる1ヶ月ほど前に、
不動産販売会社や金融機関で行われます。また、このときに登記手続きの準備や、火災保険・
地震保険などの説明・契約をすることもあります。
金銭消費貸借契約とは、住宅ローンの借入に際して金融機関と締結する契約のことです。
この契約書に、融資条件(融資金額、返済方法、返済期日、利率、返済額など)や抵当権設定に関すること、繰上返済や期日前全額返済に関すること、遅延損害金に関することなどが盛り込まれています。
金融機関から住宅ローンを借りる場合は、購入する住宅に抵当権を設定するのが一般的で、
金銭消費貸借契約と同時に抵当権設定契約を締結します。
金属製建具工事とは、ドアや窓など、金属製建具を取り付ける工事のことです。
金属製建具には、スチール製のドア、アルミサッシ、ガラス、網戸などがあります。
また、室内用には木製建具の室内扉、襖(ふすま)や障子などがあります。
建具工事は仕上げ工事のひとつで、内装工事のあとに行われます。建具が入ると住まいらしくなり、
新しい家ができたという実感が沸きます。
どのような建具を取り付けるかによって、家の雰囲気はずいぶん違ってきます。
また、防犯性能の高い扉やサッシを採用したり、断熱効果や防音効果の高いペアガラスを採用すると、
初期費用は高くなります。
建売住宅でも未完成物件を購入した場合には、建具の種類を選べる場合が多く、建具選びは
家づくりの楽しみのひとつといえます。
近隣商業地域とは、近隣の住民が日用品の買い物をする店舗などのために定められる地域です。
地元の商店街などが該当します。
この地域の建ぺい率は、60または80パーセント、容積率は、100~500パーセントです。
この地域に建てられる建物は次のとおりです。
・ 住宅、共同住宅、寄宿舎、下宿、図書館
・ 幼稚園、小学校、中学校、高校、大学、専修学校、病院、公衆浴場、老人ホーム
・ 店舗(面積の制限なし)
・ 事務所(面積の制限なし)
・ 危険や環境悪化のおそれが少ない作業場面積が150平方メートル以下の工場
・ ホテル、旅館(面積の制限なし)
・ ボーリング場、スケート場、ゴルフ練習場、カラオケボックス、パチンコ屋、麻雀屋等(面積の制限なし)、
客席が200平方メートル未満のミニシアター
・ 自動車教習所(面積の制限なし)
・ 倉庫業の倉庫
この地域で建てられないものは、次のとおりです。
・ 上記以外の工場
・ 上記以外の遊戯施設、風俗施設(キャバレー、ナイトクラブ、ラブホテルなど)
逆梁とは、言葉のとおり、梁と天井がさかさまになった工法のこと。
在来工法である木造や、鉄筋コンクリート造のラーメン構造の場合、梁が屋根(天井)を支える形をとる。
これに対して逆梁の場合は、天井の上から梁がそれを支え、自分自身はバルコニーの底面となって
外に張り出す。こうすることで、室内の天井側に梁が飛び出さなくなるので、背の高い家具などを
壁に隙間を作らずに置くことができるようになる。
都市銀行や地方銀行、信用金庫、信用組合など民間の金融機関が融資するローンのことです。
公的機関による公的ローンに対して、民間ローンともいいます。
かつては住宅ローンの主流を公庫融資に代表される公的融資が担っていましたが、フラット35の登場で、
民間ローンと公的ローンの中間的なローンが登場し、民間に中心が移っていきました。
また、銀行などが積極的に住宅ローンを展開していることに加えて、住宅ローン専門会社
(モーゲージバンク)の参入で住宅ローン市場の競争は激しくなっています。
現在では、住宅ローンの主流は、バンク系とノンバンク系の2つの民間ローンになってきたといえます。
宅建業者が自ら売主となる宅地または建物の売買契約において、宅建業者の事務所またはそれに
準ずる場所以外の場所でなされた宅地建物の買受けの申込み、または売買契約について、
8日間以内の場合には無条件に申込みの撤回または契約の解除ができる(宅建業法37条の2)。
これをクーリング・オフという。ただし、次の場合には申込みの撤回等ができない。
(1)申込みの撤回等ができる旨等一定の事項を告げられた日から8日を経過したとき
(2)宅地建物の引渡しを受け、かつ、その代金の全部が支払われたとき
申込みの撤回等の意思表示は、書面により行う必要があり、その効力は書面を発したときに生ずる。
この場合、宅建業者は速やかに手付その他の受領した金銭を返還しなければならない。
杭工事とは、地盤が軟弱な場合に、杭打ちによって建物の荷重を地盤に支持させる地業を指します。
基礎工事のひとつです。杭工事にはさまざまな工法があるが、代表的なものとして、1.GB工法=
ドイツのバウアー社との技術提携によって導入した、油圧万能型大口径削孔機による削孔工法、
2.乾式大口径削孔工法=エアー駆動の大口径ダウンザホールハンマーを組み込んだ削孔機による
乾式ロータリーパーカッション削孔工法、3.BH杭工法=ボーリング孔場所打杭工法、4.HND工法=
場所打コンクリート拡底杭工法などがあります。
空地(くうち)とは、敷地内の、建物が建っていない部分のこと。一般に、マンションなどの場合、
空地率が高いほど住環境はよいとされる。また、土地所有者だけが使用するのではなく、
一般の人も利用できるようになっている空地のことは公開空地という。
建築基準法に基づいて作られた総合設計制度では、規模の大きな敷地の場合、公開空地などを広く
とることで、建物の容積率や高さ制限で有利になるようになっている。そこで大企業の巨大自社ビルの
周りには、一般の人に開放された空地が比較的広く存在することになる。地盤面から少し低いところに
作られたサンクガーデンなども公開空地のひとつの形。
建築物の主要構造部分、およびこれと一体化して施工される部分のこと。一般的には、床、壁、柱、
階段などをいう。
管柱とは、木造建築で、桁などの横架材で中断されて上下につながる柱のことを指します。
複数の階を1本の柱で通す通し柱ではなく、胴差しなどの横架材で中断された柱のことです。
管柱は1階にあるものも、2階にあるものもそれぞれ上にかかる荷重を受ける構造材ではあるが、
通し柱に比べると強度は落ちます。そのため、建物の四隅にある隅柱は、管柱ではなく、原則として
通し柱にしなければならない。
一棟の建物に、構造上区分された数個の部分で独立して住居、店舗、事務所、または倉庫、
その他建物としての用途にすることができるものがあるときの、その各部分を目的とする所有権をいう
(建物の区分所有等に関する法律1条、2条1項)。この各部分は専有部分と呼ばれ、共用部分と区別される。専有部分については、一般の所有と同様に扱われるが、一棟の一部であるから共同の利益に反するような
使用は許されない(同法6条)。共用部分に対しては専有部分の床面積の割合で持分を有し(同法14条)、
共同で使用する(同法13条)。専有部分の処分は自由であるが、敷地利用権をこれと切り離すことは
できず(同法22条)、共用部分の持分の処分もこれに従う(同法15条)。
建物の区分所有等に関する法律(たてもののくぶんしょゆうとうにかんするほうりつ)とは、一棟の建物に
構造上区分された数個の部分で独立して住居、店舗、事務所又は倉庫その他建物としての用途に
供することができるものがあるときは、その各部分をそれぞれ所有権の目的とすることができる(1条)と
定めた上で、当該建物に関する区分所有者の団体(いわゆる管理組合)、敷地利用権、復旧および
建替え等について定めた日本の法律である。 マンション、オフィスビル、長屋・テラスハウスなどの建物は、
この法律により各住戸等の部分ごとに所有権の目的とすることができる。
住宅ローンの定期的な返済とは別に、残債の一部または全部を返済する方法です。一部繰上げ返済には
毎月の返済額は変えずに借入期間を短縮する「期間短縮型」と借入期間は変えずに毎月の返済額を
減少させる「返済額減少型」があります。繰り上げ返済の条件や費用は金融機関によって異なりますが、
フラット35は繰り上げ返済の手数料がかかりません。
継続地役権とは、地役権のひとつで、その権利が継続しておこなわれるもののことです。
地役権は、他人の土地を約款で定めた目的で自己の便益に利用できる権利です。
具体的には、他人の土地を通行する通行地役権、水を引く導管を設置する引水地役権、眺望を
確保するために工作物を作らせない観望地役権などがあります。このうち、その行使が継続して
行われるものを継続地役権といいます。
化粧合板とは、表面に仕上げ材として何らかの処理を施した合板のことで、主に、内装仕上げ用として
よく使われます。化粧合板には、天然木、ポリエステル、プリントなど、表面の仕上げに使用されている
もので区別されます。天然木合板は、天然木を薄くスライスして、合板の表に貼り付けたものです。
ポリエステル合板は、木目調に印刷したポリエステル樹脂を貼り付けたものです。プリント合板は、
紙に木目調の印刷をし、合板の上に貼り付けたものをいいます。
桁とは、柱と柱の間に渡す横木のことです。柱が傾かないように固定するとともに、屋根などを支える
ためのもので、棟木に直角に渡される梁に対して、平行に渡される横木のことを指します。
主に側柱の上で垂木や梁を受ける横木をいう場合が多いようです。外周部の胴指しの上部に使われる
軒桁のほかに、敷桁や母屋桁などがあります。また梁という言葉は桁を含めた総称として
使われることもあります。
研究開発地区とは、特別用途地区のひとつ。特定行政庁は、この地区で行われる研究開発という
目的に合わないと判断した施設や、目的を害すると判断した施設の建築を禁止したり、制限したりできる。
具体的にどのような施設や建築物の制限がされているのかは、各自治体によってまちまちだが、
共通するものとしては、ボーリング場、バッティング練習場、ホテル、旅館、劇場、映画館、雀荘、
パチンコ屋、キャバレーなど。研究員の集中を阻害するような娯楽施設などは、この地区では建てられない。
健康住宅とは、有害とされる化学物質や薬剤の使用を極力避けるなど、シックハウス症候群対策が取られ、健康に住めるようにさまざまな工夫が施されている住宅のことです。
具体的には、シックハウス症候群の原因物質とされるホルムアルデヒド、トルエンやキシレンなどの
VOC(揮発性有機化合物)、有機リン系やハロゲン系の化学物質を含まない、または少ない建材を
使っていること、さらにダニの発生を抑制するようなハウスダスト対策が取られていることなどです。
ただ、健康の意味は広いため、シックハウス症候群対策を取った上で、住む人の心の健康、
住宅を含めた環境の健康(エコロジー)、住む人の社会的健康(社会的活動の充実)や経済的健康
(建設費や維持費の適切さ)など、建てる側がどこに焦点を当てるかで健康住宅という言葉の意味合いも
変わってきています。
建設業法とは、建設業者の資質の向上、請負契約の適正化等を図ることを目的として昭和24年に
制定された法律です。これによって、建設工事の適正な施工を確保し、発注者を保護するとともに、
建設業の健全な発達を促進し、公共の福祉の増進に寄与しています。
ここでいう「建設業」とは、土木一式・建築一式工事、大工・左官・電気工事、内装仕上げなど、
建築業法で規定されている28業種の建設工事の完成を請け負う営業のことを指します。
主な内容として、建設業者の許可条件、建設工事の請負契約の適正化の確保や紛争の処理、
施工技術の確保などが定められています。
建設住宅性能評価書(ケンセツジュウタクセイノウヒョウカショ)とは、建設性能評価を受けた「証明」として
交付される「証明書」のことです。「設計性能評価書」に基づいて、建築施工途中や竣工時に現場検査を
行い、設計時の性能が達成されているかどうかを厳しくチェックします。この確認は、公平性を保つために
第三者期間が行っています。
建築確認とは、建物を建てる場合の行政上の手続きのひとつで、その建物の敷地、構造、設備などが
建築基準法や都市計画法などの法令に適合しているかどうかを、自治体の行政機関である建築主事が
確認すること。建物の審査は自治体の行政機関である建築主事によって、計3回行われる。
初めは建築計画が作成された時点、つぎに、着工後完成までの間、最後に完成直後。
このうちの、初めの審査が建築確認。ここで建物が建築基準法、都市計画法などの法令に適合していると
判断されれば、建築確認通知書が発行される。この通知書を受け取って初めて、建築主は、
工事に着工することができる。
建築確認番号とは、着工前に行われる建築確認の結果、適合した建築計画に対して付与される番号。
国民の生命、健康及び財産の保護を図ることを目的とし、建築活動の規制や誘導を行なう日本の
建築に関する基本的な法律を「建築基準法」といいます。個々の建築物に関する単体規定と、
都市計画区域内等における建築物相互に適用される集団規定で構成されます。
建築基準法で定められた基準に上乗せする形で、地域住民が建築物の敷地や位置、意匠などに一定の制限を設けることができる制度。お互いに守っていくことで、住環境を保全し、魅力あるまちづくりを進めていく。協定を結ぶには、結ぼうとしている区域の土地所有者や借地権者全員の合意が必要となる。
建築許可とは、建築基準法や都市計画法などで、基本的には認められていない建築物について、
特定行政庁が特例として許可を与えることです。
用途地域には、建てられる建築物が決められていますが、特別な事情があるとき、建築審査会の
裁決をあおぎ、建築を許可することができます。
また、市街化調整区域では小規模な開発においても許可が必要でした。なお、都市計画法および
宅地造成等規正法の改正により、市街化調整区域の開発は原則として禁止されました。
建築士とは、建築士法に拠って定められた国家資格です。
一定の規模以上の建物の設計、工事監理等を行う技術者で、年1回行われる建築士試験に合格し、
国土交通大臣または都道府県知事から免許を受けて、設計、施工などの業務を行う人のことをいいます。
木造二階建以下で床面積100平米以内のものを除いて、建物の設計を行うには、建築士の資格が必要です。建築士には、取り扱うことのできる建築物の規模によって、一級建築士、二級建築士、木造建築士の
3種類があります。
建築士法とは、建築士の資格や業務内容に関する法律です。
建築士法では、建築物の設計、工事監理等を行う技術者(建築士)の資格に関する規定、及びその
業務内容に関する規定などが定められています。建築物の質の向上を目的として、報酬を得て建築物の
設計又は工事監理を行う建築士の資格や業務に関すること、また、業として設計や工事監理を行う
建築士事務所の登録、業務などに関することなどが定められています。
建築主事とは、建築物の審査確認・検査などを行う公務員です。
都道府県知事または市町村長が任命した公務員で、建築基準法の建築計画の審査確認、
工事完了後の検査など、建築行政事務を行う権限をもっています。
都道府県には必ず建築主事が置かれています。また政令で定める人口25万人以上の市にも、
建築主事を置かなければなりません。それ以外の市町村では建築主事の設置は任意になります。
建築審査会とは、建築指導事務の公正な運営を図るため、建築基準法に基づいて都道府県、
建築主事が置かれる市町村に設置される行政機関のことです。建築審査会は、建築基準法に基づき
建築許可が必要な建築物に対する可否や同意、不服申し立てなどの審査請求に対する議決、
建築基準法の施行に関する調査審議や建議(意見)を行う機関です。建築審査会は、法律、経済、建築、
都市計画、公衆衛生又は行政において優れた知識と経験を有する者の中から都道府県知事、
または市町村長によって任命された委員で構成されます。
建築条件付土地とは、売買において、一定期間内に特定の建設会社と建築請負契約を結ぶことを
条件にしている宅地分譲のことです。本来の土地販売は、購入者が自由に建物を建てることが原則ですが、次の場合には建築条件を設けることが認められています。
・ 土地の売買契約後一定期間(一般的には3ヶ月以上)内に建築請負契約を締結すること
・ 建築請負会社は土地の売主または売主が指定する業者であること
・ 建築請負契約が成立しない場合は、土地の売買契約を白紙に戻し、預かり金などを全て返還すること
建築設計事務所とは、建築の設計や工事の監理を行う、建築士の資格を持つ事務所です。
設計だけを依頼することもできます。家を建てる場合には、ハウスメーカーまたは工務店、
建築設計事務所などに依頼します。建築設計事務所に依頼すると、好みのデザインや要望を自由に出し、
特別注文の設計をしてもらえます。実際の施工は工務店などが行いますが、施工監理や完成検査も
してくれます。
建築設計事務所によってそれぞれ得意分野に特徴があり、構造、設備、デザインなどが得意なところも
あれば、店舗やオフィスビルを専門にしているところもあります。建築設計事務所に依頼した場合の料金は、工事費全体の10パーセント前後が多いようですが、依頼内容によって異なります。
工務店の選定や見積なども依頼でき、予算を考慮した設計を考案してもらえるので、必ずしも
割高になるとは限りません。
建築面積とは、建物を真上から見たときの水平投影面積のことです。建物の外壁や、柱の中心線で
囲まれた部分の水平投影面積のことをいいます。水平投影面積とは建物の真上から光を当てた時に
地盤面に影となって映る部分の面積のことです。ただし、外壁から1メートル以上突き出した軒や庇などは、
その先端から1メートル外壁側に後退した部分までの面積が含まれます。
建ぺい率とは、敷地面積に対する建築面積の割合をいいます。用途地域や防火地域によって、
その最高限度が決められています。敷地内に一定割合の空地を確保することで、日照や通風、
防火、避難などを確保するためのものです。建ぺい率を超えて、建物は建てられません。
権利金とは、借地権や借家権の設定・移転の対価として、地代や賃料以外に支払われる金銭をいいます。
借地権や借家件は法律によって保護され、長期間にわたって存続するため、財産権のように
取り扱われています。そのため、借地権などの設定(契約)に際しては、地域によって決まっている
借地権割合に応じて(住宅地では更地の60~70パーセント程度)、権利金が授受されます。
また、借地権が譲渡されるときにも、その対価として権利金が授受されます。
また、借家権の場合には、礼金と同じ意味で使われるものや、営業権(暖簾代)を意味するものもあります。
所有権の登記など不動産の登記をした後、登記名義人に交付される「登記済証」の一般的な呼び名を
権利証といいます。権利証=「登記済証」は登記完了の後、申請書の副本(写し)や原因証書(売買契約書等)
に、登記済の証明印が押されて還付されます。その後、移転登記等での申請を行う場合、
本人確認のために申請書に添付しなければなりません。なお、登記事務のコンピューター化が推進されて
おり、本人確認のための機能としての権利証(登記済証)は、「登記識別情報」(12桁のパスワード)に
移行しつつあります。
建物が地震に対してどのくらい耐えられるかを、設計の段階で計算するものです。
2000年の改正建築基準法で導入された計算方法で、建物が地震後でも構造性能が保たれている
損傷限界の指標などを示す計算方法です。それまでは他の災害と同じように、耐震性に対しても従来の
許容応力度計算を使っていました。しかし改正法により、耐震性については新たな限界耐力計算が
規定され、その計算結果を基準値とするようになりました。しかし近年の耐震偽装問題では、
この計算方法の導入は耐震基準のダブルスタンダードになるのではという批判もあります。
原価法とは、鑑定評価手法の1つで、不動産の再調達原価をもとに対象不動産の試算価格を
求める方法です。
この手法では、価格時点において、新しく建築(建物)または造成(土地)を行って再調達する場合の原価を
求め、これに減価修正を行って試算価格を求めます。
例えば、土地の場合、近隣に山林などの取引事例があれば、その事例をベースに造成工事費や
附帯工事費を計上します。建物であれば、同じ住宅を同じ場所に建てた場合の費用を調べ、新築後の
経過による価値の低下を減額して、対象不動産の価値を推定します。
この手法は、建物など再調達原価の把握や減価修正が可能な不動産の場合には有効ですが、
既成市街地などの土地は再調達価格の把握が困難なために不向きです。
現況とは、不動産においては、「現況地目」または「現況検査」のことをいいます。
登記簿上の地目でなく、現在の使われ方から見た地目のことを、現況地目といいます。
登記簿上の地目には、宅地のほか田、畑、山林、原野、雑種地など21種類の区別がありますが、
すべての土地について、登記簿上の地目が現在の地目と同じとは限りません。現在は宅地であっても、
登記簿の上では「畑」や「山林」のままになっている土地が、数多く存在します。
地目変更の申請は所有者が行いますが、手続き等が難しいのが現状です。
原状回復義務とは、売買契約などが解除されたとき、契約前の状態に戻す義務をいいます。
これは民法の規定で、契約の解除は、契約の効力を最初に遡って消滅させるものとして、
契約がなかったときと同じ状態に戻す義務があります。ただし、賃貸アパート・マンションなどには
適用されません。一般に、賃借人がアパート・マンションを退去するときに、「原状回復」義務が言われて
いますが、本来は賃借人が自分で設置したものを取り除いて返却することを意味します。
賃貸住宅退去にともなう「原状回復」については、国土交通省による「原状回復をめぐるトラブルと
ガイドライン」にまとめられています。
現況検査とは、中古住宅性能表示制度に基づく検査です。
住宅性能表示制度は2002年より既存住宅(中古)も対象となりました。国土交通大臣に登録された
第三者機関「登録住宅性能評価機関」が、中古住宅の性能を評価・表示します。
表示項目は、
・ 構造の安定に関すること
・ 火災時の安全に関すること
・ 維持管理への配慮に関すること
・ 空気環境に関すること
・ 光・視環境に関すること
・ 高齢者などへの配慮に関すること
など、全部で9項目あります。
現況検査では、外壁などに生じている「ひび割れ」や床の「傾き」、壁や天井の「漏水等のあと」などに
ついて検査し、一定項目の個々の検査に基づいて住宅全体の総合判定も行います。
稀に不動産会社が、物件の見学に際して車で案内した料金として請求することがありますが、これは
不当な請求なので、一切支払う必要はありません。
不動産会社の仲介手数料などは、物件の取引価格に応じて一定割合が定められており、それ以外の
報酬は受け取ることができません。
現地調査とは、新築分譲マンションや新築一戸建ての購入を検討するときに、実際に現地に行って
状況を調べることです。不動産の物件広告やパンフレットには、周辺環境の情報や写真なども掲載され、
未完成の物件は図面をもとに起こした完成予想図などが描かれています。また、交通利便性についても、
電車や徒歩の所要時間が表示されています。また、モデルルームやモデルハウスで、ある程度建物に
関してはイメージをつかむこともできます。
しかし、住環境などは現地に行かないとわからないことがたくさんあります。できれば、曜日や時間帯を
変えて、何度か訪問することをオススメします。住んでから後悔しないためには、現地調査は欠かせません。
限定価格とは、一般的な市場取引とは異なる、限定した不動産にのみ成立する価格のことです。
ある不動産を隣接する不動産と併合する場合や、不動産の一部を分割して取得するときなどにおいて
成立します。
例えば、Aの土地の角地にBの土地があった場合、AとBの単独価格の合計よりも、AとBを併合したCの
土地のほうが価格が高くなる場合、その増額分がAとBの売買において配分されることになります。
ただし、その分配にはいくつかの方式があり、限定価格の経済合理性そのものが個別性の高いものと
なっています。
限定承認とは、相続する財産の範囲内で、相続した負債を支払うことです。
相続は、財産も負債も双方を継承することになるため、相続人には相続を放棄する相続放棄が認められて
います。しかし、一方で相続する財産があって、負債に関しては金額がはっきりしない場合、
単純相続(普通の相続)では被相続人の債務すべてに弁財義務を負うことになります。
そのようなおそれがある場合、相続の限定承認をすることで、債務の継承を継承する財産の範囲内に
限定できるのです。
限定承認を行うには、相続人全員で、相続を知った時から3ヶ月以内に、財産目録を作成して、
家庭裁判所に申述べをしなければなりません。
開発行為にともなって地権者の土地面積に事業の前後で変化があった場合に、その面積が減った分を
「減歩」という。通常は、土地区画整理事業で使われる用語で、公共施設の用地や保留地を捻出するために、地権者から同じ割合で供出させる土地を意味する。
事業の後に前よりも、まれに面積が増えることを「マイナス減歩」ということもある。
事業の前に所有していた土地に対する整理後の土地の減り分の割合を「減歩率」という。
コーポラティブハウス(Cooperative House)とは、自分たちの好みにあった住宅を共同で建設することです。
共通のこだわりを持つ人たちが集まり、建設組合を設立して、共同で土地を購入し、間取やデザインなど
自分たちのライフスタイルに合わせて自由に住宅を建設します。集合住宅でありながら、
一戸建ての注文住宅のように、オリジナリティの高いマンションがつくれるのが利点です。
また、土地の購入から建設まで全て自分たちで行うため、分譲マンションと比べて中間マージンを
省けるのでコスト的にも安くなります。建設にあたっては、皆で何度か話し合いの機会があるので、
入居時には顔見知りという安心感もあります。
ただし、話し合いや合意形成のための時間と労力が必要です。
工業専用地域とは、工業の業務の利便の増進を図るための用途地域のことをいいます。
建ぺい率は、30~60パーセント、容積率は、100~400パーセントです。
この地域では、基本的にどのような工場でも建てられます。逆に、工場以外のほとんどの建物は
建てられません。
建てられるものは、次の通りです。
・ 事務所等
・ 運動施設
・ 巡査派出所、公衆電話所、郵便局
・ 神社、寺院、教会等
・ 公衆浴場(風俗営業を除く)、診療所、保育所等
・ 老人福祉センター、児童厚生施設等
・ 自動車教習所
・ 近隣公園内の公衆便所および休憩所、路線バスの停留所の上家
・ 自治体の支部・支所
・ 税務署、警察署、保健所、消防署等
・ 電気通信、電気、ガス、液化石油ガス、水道、下水道、都市高速鉄道、熱供給の各事業のための施設
・ 車庫・倉庫等
・ 特定行政庁が用途地域における工業の利便を害するおそれがないと認め、又は公益上やむを得ないと
認めて許可したもの
など、です。
工業団地造成事業とは、都市計画事業の1つで、計画的な工業都市(工業団地)を形成するものです。
工業団地造成事業は、首都圏と近畿圏の近郊整備地帯や都市計画区域内において、地方公共団体が
用地を確保し、製造業などの工場のための用地や公共施設を整備して企業に分譲します。
工業団地を形成することで、工業の円滑な活動を推進すると同時に、住居と工場が混在することによる
トラブルを回避しようというものです。
工業団地は行政によって造成されるため、工業用水や排水設備、原材料の搬入・搬出などの
保管施設や交通機能などが整備されています。また、工場が集積していることで、相乗効果としての
技術や工業の発展が期待できます。
工業地域とは、主に工業の業務の利便の増進を図るための用途地域のことをいいます。
建ぺい率は、50・60パーセント、容積率は、100~400パーセントです。
住宅も建てられますが、どんな工場でも建てられるので、住環境に選ぶには、現地の状況や物件の
騒音対策などをしっかりチェックする必要があります。
建てられないものは以下の通りです。
1. ホテル・旅館
2. 劇場、映画館、演芸場、観覧場
3. キャバレー、料理店(接待を主とするもの)、ナイトクラブ、ダンスホール等
4. 風俗営業に係る公衆浴場等、ヌードスタジオ、のぞき劇場、ストリップ劇場、ラブホテル類、
専ら性的な写真・物品等の販売店等
5. 幼稚園、小学校、中学校、高等学校
6. 大学、高等専門学校、専修学校等
7. 病院
などです。
不動産登記簿において、所有権に関する事項を記載した部分を甲区といいます。
甲区は所有権の保存登記をしないと作れません。そして、所有権保存登記がないと第三者には
対抗できません。
売買などで所有権が移転した場合、移転登記が記載され、次々とその履歴が記載されることになります。
また、所有権以外の権利(抵当権など)に関する事項は乙区に記載されます。
なお、平成17年施行の改正不動産登記法により、甲区と乙区をまとめて、権利部と呼ぶようになりました。
航空機騒音障害防止地区とは、特定空港の設置者が当該都道府県知事に示した
航空機騒音影響度レベルが75以上である地区のこと。
レベル80以上の地区は航空機騒音障害防止特別地区。
特定空港周辺航空機騒音対策特別措置法では、航空機騒音障害防止地区内では、航空機の
騒音による障害の防止に配意するとともに、当該地域の自然的経済的社会的諸条件を考慮して、
適正かつ合理的な土地利用に関する事項および当該地域の振興を図るための施設の設備につとめること、
という基本方針が述べられている。具体的には、この地区内に建てられる住居、学校、病院などでは、
1. 建物を閉鎖した際防音上有害なすき間が生じないものであること、2. 窓または出入り口に設けられる戸は、ガラスの厚さ(二重ならその合計)が、0.5cm以上であるガラス製のもの、またはこれと防音上同等以上の
効果のあるものであること、3. 直接外気に接する排気口、給気口、排気筒およびにあっては、
開閉装置を設けるなど防音条項可のある措置を講ずることなど。
住宅金融公庫から融資を受ける際、連帯保証人にかわって、債務保証をしてくれるのが、
公庫融資保証協会です。
連帯保証人をたてるかわりに、公庫住宅融資保証協会に保証料を払って、債務保証をしてもらいます。
また、何かの事情で住宅ローンの返済ができなくなった場合、残りの債務を協会が公庫に支払います。
住宅ローンの利用者に対しては、協会が債権回収を行います。
2007年4月1日、住宅金融公庫が独立行政法人住宅金融支援機構に移行したことにともない、
公庫住宅融資保証協会は解散しました。
宅金融公庫による融資の通称を「公庫融資」といいます。幅広く一般の人を融資対象にしています。
年金融資や財形融資と異なり、職業にかかわる制約ないため、公務員や自営業を営む人でも申込が
可能です。マイホームの新築や、マンションの購入、中古住宅の購入、リフォームなど、目的別に様々な
種類の融資があります。住宅金融公庫は、平成13年の特殊法人改革で廃止及び新設される
独立行政法人が業務を引き継ぐことが決定しています。時期は未定です。
硬質塩ビ管とは硬質塩化ビニールで作られた管のことを指します。赤さびなどが出ないので、
水道管や配水管に使われることが多いが、人体に有害な物質を摂取する恐れがあるという指摘もあり、
生活圏から塩ビをなくすことを心がけている人も多くいます。たとえば、シックハウスの原因物質である
フタル酸エステルは、塩化ビニール製のものからは、必ず放出されているといわれています。
長期にわたる毒性試験は行われていないが、内分泌かく乱作用が疑われており、とくに幼時に
フタル酸エステルを多量に摂取すると、成人してから性機能に障害が出るのではないかと懸念されています。また、塩ビ素材そのものには発ガン性があるといわれ、さらに焼却時にはダイオキシンを発生させることも
わかっています。これらのことから、建材メーカーなども徐々に脱・塩ビの努力を始めています。
公衆用道路とは、田、畑、宅地などと同じ、地目のひとつを指します。一般の交通の用に供する土地の
ことです。自分の所有地の一部なのに、ほとんど一般の人の通行に使われている土地があります。
また、すでにその私道には側溝、縁石が設置されて砂利敷きまで終わっている、といった場合、所有者は、
土地地目変更登記をすることで、登記簿上宅地となっているその道の部分の地目を公衆用道路に
変更することができます。
さらに、地目変更ののち、その道が本当にある特定の目的で使われているのではなく、多くの一般の人に
利用されていることが認められれば、その公共性が考慮に入れられ、その部分については固定資産税を
免除されることもあります。
公証人とは、30年以上の実務経験を有する法律実務家の中から、法務大臣が任命する公務員で、
公証役場に勤務しています。公証人の仕事は、公正証書の作成、私署証書(私文書)や会社の定款などの
認証、文書の存在した日にちを証明する「確定日付」の付与などです。
公証人には、通常、判事や検事、弁護士、法務局長などを長年つとめた人がなります。
全国には約550人の公証人がいます。
公証人は法律実務に精通しており、公正証書はもとより、公証人によって認証された私文書も高い
証明力を有します。
公証役場とは、公証人が勤務しているところです。
公証役場は全国で約300ヶ所あります。全国各地にあり、所在地は「日本公証人連合会」ホームページの
「公証役場所在地一覧」で検索できます。
賃貸借契約の更新をする際に支払う一時金の一種。借地借家法上に明確な規定があるわけではないので、仮に賃貸借契約書に更新料にかかわる条項がなければ、借り手は更新料を支払う義務はない。
契約書に明記してあれば、支払わないと契約違反になる。
貸家の場合は新規家賃の1~2か月分の更新料をあらかじめ契約書に盛り込んでいることが多い。
借地契約では地代ではなく、更地価格(時価)の1割前後の更新料を請求するケースが多い。
登記上の表示を信頼して不動産の取引をした者は、たとえ登記名義人が真実の権利者でない場合でも、
一定の要件の下で、その権利を取得することが認められるというのが、不動産の「公信力」です。
しかしながら、日本の登記には公信力が認められていません(動産の場合は認められています)。
ですから、登記簿や登記記録などを信頼して、登記上の所有者から不動産を買い取っても、
本当の所有者に対しては権利を主張できません。不動産に「公信力」がないのは、登記官が現地調査を
行わず、文書だけで登記を処理しているので、取引の実態を把握できないからだといわれています。
公示地価とは、国土交通省が公示する「標準地」の価格のことです。
全国からそのエリアの地価水準を代表する「標準地」として選定された3万数千地点について、
毎年1月1日時点の地価を不動産鑑定士等が評価し、土地鑑定委員会が判定して毎年3月下旬に
公示します。
公示地価は、住宅地、商業地、工業地など用途ごとに、標準地の1平方メートル当たり単価が
表示されています。公示地価は一般の土地取引の指標となり、公共用地取得価格の算定基準ともなります。また、同じ土地で毎年地価が公示されるので、地価の上昇や下落の状況もわかります。
公示送達とは、家賃不払いのまま行方不明になった借主に対して、家主が単独で賃借契約を解除する
方法です。
賃貸借契約は、家賃の滞納があっても、契約解除の意思を相手に表明しなければ解除できません。
しかし相手が行方不明の場合には意思を伝えることができません。そこで相手が最後に住んでいた場所の
簡易裁判所に申し立て、裁判所が認めると、送達文書が官報や新聞に掲載され、一定期間を過ぎると
相手に到達したものとみなされるのです。
公図とは、登記所が保管している土地台帳付属地図のことです。公図は、登記された土地の地番や位置、
形状などを表示するものですが、明治初期の地租改正事業で作られたもので、都市部を除いてかなり
不正確のものとなっています。1960年に旧土地台帳法が廃止されたことで、公図は法的根拠を失い、
かわって各市町村が行っている地積調査などをもとに精度の高い地図(14条地図)を作成しています。
しかしその完成には膨大な時間がかかるため、その間は公図が使われています。
公図は道路付きや隣地境界を知る手立てになり、登記所で閲覧でき、法務局のホームページでも
見ることができます。ただし、公図は現地を正しく反映していないことがあるので、不動産の取引に
際しては、きちんとした測量が大切です。
公正証書とは、公証人が法律に従って作成する公文書です。
公正証書には、公正証書遺言、任意後見契約公正証書、金銭貸借や土地・建物賃貸契約に関する
公正証書、離婚にともなう慰謝料・養育費の支払に関する公正証書などがあります。
公正証書は法的効力があり、債務不履行の場合には裁判所の判決を待たずに強制執行手続きに
入れます。また、公正証書遺言は家庭裁判所で検認の必要がないので、相続開始後速やかに
遺言内容を実行できます。ただし、公正証書に強制力があるのは金銭に関してのみで、不動産の
明渡しなどには及びません。なお、事業用借地権や定期借家の契約書は公正証書にすることが
条件づけられています。また、任意後見契約も公正証書にする必要があります。
市町村が指定する特別用途地区のひとつで、医療機関や社会福祉施設の周囲に パチンコ店や
風俗店などの好ましくない業種が進出するのを規制するという地区。
高層住宅管理業協会とは、都市住宅問題の諸課題を維持管理の視点からアプローチする専門団体です。
分譲マンションが都市型住宅として定着し、その管理問題に社会的関心が高まってきた1979年に
設立されました。
協会はマンション管理業者やビルメンテナンス業者などから構成され、会員の相互協力によって、
マンションの管理およびメンテナンスの向上を図るための諸事業が実施されています。
具体的には、マンションの管理システム、管理技術に関する調査研究や管理費等の保証事業、研修、
広報などです。また、国土交通大臣による指定機関として、国家資格「管理業務主任者」の試験および
講習を行っています。
マンションなどの建物は主に、(鉄筋コンクリート構造)、(鉄骨鉄筋コンクリート構造)、
(高強度鉄筋コンクリート構造)などで作られている。RCはReinforced Concreteの略で、鉄筋でコンクリートを補強した構造のことをいう。オフィスビルや中低層マンションを建築する時に使われる。
SRCはSteel Reinforced Concreteの略で、鉄骨で柱や梁などの骨組みを作り、その周りに
鉄筋コンクリートを被せて一体構造にしたもの。主に高層マンションを建築する時に使われる。
HRCはHard Reinforced Concreteの略。高強度コンクリートを利用することで、
普通はSRCで建築する建物をRCで作ることができる。工期短縮とコストダウンを図れる。
構造図面とは、建物の構造に関する情報を示した図面を指します。
意匠図面より専門的で、たとえば部材と部材をどれ位の太さのボルトで留めるのかといったことまで
書き込んであります。設計図には大きく分けて、意匠図面、構造図面、設備図面の三つがあります。
意匠図面は、意匠(デザイン)を伝えることをメインとし、建物全体のイメージや、間取りを、感覚的に
把握するのに適しています。専門家以外が見ても、なるほど、こういう建物が建つのかと、理解できます。
これに比べると、構造図面や設備図面は、普通の人間が見ても役には立たちません。
このふたつは完全に作業を進めていく人たちのための指標と解説書になっており、図として描かれた
マニュアルだからです。ふたつのうち、構造図面は、柱、梁、壁、床の寸法、位置などを示した各種伏図、
軸組図や、構造計算書までを含めたものをいいます。
公的融資とは、公的機関が貸し出す住宅ローンのことです。
住宅金融公庫融資、年金住宅融資、財形住宅融資、自治体融資などがあります。
自治体融資には、自治体が直接融資するものだけでなく、特定の民間ローンを斡旋して利息の一部などを
補助するタイプもあります。年金住宅融資は2005年1月末日に廃止されました。
公庫融資は、フラット35に役割を移しています。フラット35は、公的な住宅金融支援機構と民間金融機関が
提携したもので、公的融資と民間融資の中間、まさに新しい住宅ローンです。
高度利用地区とは、市街地における土地の高度利用を指定した地域地区です。合理的で健全な高度利用と、都市機能の更新を図るために指定されます。この地区では、容積率の最高限度と最低限度、建ぺい率の
最高限度、建築面積の最低限度、壁面の位置の制限が都市計画で定められます。これによって、土地の
高度利用、建物の周辺のオープンスペースの確保、土地利用細分化の防止、市街地の環境の向上が
図られます。イメージとしては、巨大高層ビル群を建て、道路も整備して街を活性化するものです。
同じく街の活性化を目的とする市街地再開発事業もこの地区で行われます。この地区に指定されると、
小規模な建物を大規模なビルに建て替えなければならなくなることもありますが、
その場合には、固定資産税の軽減や資金の斡旋などの援助を受けることができることになっています。
高層住居誘導地区とは、高層住宅の建設を誘導するために指定した地区のことをいいます。
この地区は、第1・2種住居地域、準住居地域、近隣商業地域または準工業地域で、容積率は400または500パーセントと定められています。しかし、この地区に指定されると、建物の住宅部分が延べ面積の
3分の2以上ある場合、最高で600パーセントまで容積率が引き上げられます。同時に、高さ制限や
前面道路幅員容積率制限などが緩和され、日影規制の対象外となります。そのため、これらの制限で
実質的に容積率が制限されていたものが、高層住居誘導地区に指定されることで、実際に容積率
600パーセントの建築物を建てることが可能になります。
公募売買とは、不動産投資信託のことをいいます。投資信託の対象を不動産にしたもので、
日本版不動産投資信託はJ-REIT(J-リート)とも呼ばれます。資産運用を行う際に、株や債権ではなく
不動産を組み入れた仕組みで、一般小口投資家から投資を募り、家賃収入や売却益などその
運用益を投資家に還元するというものです。
工務店は、家を建てる際に実際に施工を行う業者です。工事の進行に則して、鳶(とび)、大工、左官、
電気、水道、サッシ、設備関係など、職人や業者を手配し、工事の監理などを行います。
工務店は地域密着型が多く、それだけ親近感があり、融通がききやすいというメリットがあります。
家を建てるときには、工務店に直接依頼する場合と、ハウスメーカーが特定の工務店を指定して
監理する場合、建築設計事務所が工務店を指定して監理する場合などがあります。
小売店舗地区とは、地方自治体が独自の目的で指定できる特別用途地区のひとつを指します。
従来の商業専用地区より、もっと目的がはっきりと限定されています。1998年、都市計画法が改正され、
地方自治体は、特別用途地区の指定について、これまで以上に自主的な権限を持つことができるように
なりました。小売店舗地区も、そういう新しい地区のひとつです。たとえば駅から大通りに抜ける道に
一定の規模の小売店を並べ商店街を新しく作りたい。中にひとつだけ規模の違う建物が混じらないように
したい――そういうとき、地区指定と建築規制が生きてきます。
高齢者向け優良賃貸住宅制度とは、高齢化社会において、高齢者の安全で安定した居住を確保するため、公営住宅を補完し、民間の、土地・住宅所有者の経営意欲を誘導しつつ、低廉な家賃で入居できる
高齢者向けの優良物件を創設し、供給しようとする制度。1998年スタート。
この計画は、地方自治体が立て、県知事の承認を得て進められる。ふたつのアプローチがあり、
ひとつは公営住宅、もうひとつは民間の住宅。公営住宅の場合は、地方自治体そのものが貸主といえる
わけで、自らこの制度に従ってなるべく安く住める賃貸住宅を建てることになる。民間の場合は、
これまで一般用に貸し出していた賃貸住宅を、高齢者向きに増改築して供給することで、
融資が受けられるなどの優遇措置が取られる。基本的に、バリアフリー仕様になっていることが条件だ。
国土利用計画法とは、総合的・計画的に国土の利用を図ることを目的として制定された法律です。
略して国土法と呼ばれます。
国土利用計画による国土の有効利用に加えて、土地の投機的取引や地価の高騰、乱開発を未然に
防ぐために、1974年に制定されました。制定時には、一定規模以上の土地の売買や交換などの取引を
する場合に事前の届出または許可が必要でしたが、バブル崩壊後に地価が下落したため、
1998年に一定規模以上の土地取引(都市計画区域内の市街化区域では2000平方メートル以上など)に対し、事前届出から事後の届出制に変更されるなど規制緩和がされました。
ただし、各都道府県知事が指定する注視区域、監視区域、規制区域では、地価高騰防止のため、
これまでどおり事前の届出が必要です。
国有地とは、所有権が国にある土地のことで、国有地には普通財産である土地と、行政財産である
土地に分けられている。なお国有地の全面積は、平成8年現在で893万haで、全国土の24%を
占めているが、その約96%は森林及び原野である。
戸境壁とは、マンション、アパートなどの共同住宅で、隣の住戸との間の壁のことです。
戸境壁は、遮音上問題のない構造であること、耐火構造、準耐火構造、または防火構造とし天井裏へ
達するように設けなければならないこと、などが建築基準法で定められています。マンションの戸境壁は
通常、鉄筋コンクリート製で、厚さはラーメン構造で15~20センチメートル、壁式構造では
20~25センチメートル程度が多いようです。
固定金利型住宅ローンとは、ローン契約時に決められた金利が、全返済期間を通じて固定されている
ローンのこと。
固定金利選択型住宅ローンとは、住宅ローンの返済開始から一定期間は固定金利、
その後は変動金利となる住宅ローンのこと。
固定資産税とは、土地や建物を所有している人に対して課される地方税のことです。
毎年、1月1日現在の所有者に対して、その資産のある市町村(東京23区の場合は都)から課税されます。
固定資産税の納付は、年度初めに「納付通知書」が送られてくるので、それに従って年4回に分割して
納付します。
固定資産税の税額は、原則として「固定資産税課税標準額」の1.4パーセントとなっています。
ただし、一定の新築住宅や小規模住宅用地などは軽減されます。
固定資産税評価額とは、固定資産税などの税金を計算する基準となる価格のことです。
市町村では、土地や家屋について「固定資産課税台帳」に課税価格などを登録しています。
この価格のことを、固定資産税評価額といいます。
固定資産税評価額は、固定資産税のほか、都市計画税や不動産取得税、登録免許税などの基準に
なります。
固定資産税評価額は市町村が決定し、3年ごとに評価替えが行われ、評価替えの年を「基準年度」と
いいます。著しい地価の下落などがあった特別な場合を除いて、固定資産税評価額は基準年度の価格が
次の評価替えまで引き継がれます。
固定資産評価審査委員会とは、固定資産課税台帳に登録された価格についての不服を審査
決定するところです。
市町村に設置されている行政委員会で、委員は、市町村の住民、市町村税の納税義務のある人または
学識経験者の中から、議会の同意を得て市町村長が任命し、任期は3年となっています。
東京都の場合、委員の数は15人以内で、審査委員会は委員3人で構成する合議体に分かれて
審査決定します。
なお、不服申請には期限があり、納税通知の交付を受けた日の後60日の間に、文書で審査の申請を
しなければなりません。
古都保存法とは、古都における歴史的風土を保存するための法律です。
正式には「古都における歴史的風土の保存に関する特別措置法」というもので、京都市、奈良市、
鎌倉市などが対象となっています。
「歴史的風土保存地区」の中では、建築物等の新築、改築・増築、土地の形質の変更、木竹の伐採等を
行う場合、あらかじめ地方行政区画を統轄する知事のへの届け出が必要です。
また、特に中核となる地区を「歴史的風土特別保存地区」と指定し、上記内容に建築物の色彩や
屋外広告なども加えて、知事の許可が必要となります。
古民家は、以前は観光のために改修して保存したりすることが多かったが、現在では、UターンIターンし、
田舎で暮したいという人に「住むところ」としてひそかな人気を得ている。
わらぶき屋根に、大きな梁、囲炉裏。観光客用の民宿ではない。
いま古民家は、もともとの住居としての価値を見直されつつある。
たんなるノスタルジーではないらしい。シックハウスなど、本来日本にはなかった住環境問題が深刻に
なっているいま、機能面でも、日本の気候に合った古民家が求められているようなのだ。
古民家に住む方法は三つ。ひとつは「古民家風」の新築家屋に住むこと、つぎに本物の古民家を手に入れ、
おもなところだけリフォームする、最後に古民家を手に入れ、一度すべてばらしてから使える部材と
そうでないものを分け、新しい部材を補足して建て直す。ただ、どれも建築費は安くはない。
コルクとは、コルク樫の表皮から作られる天然素材。建材からワインの瓶の栓までさまざまなものに
利用される。
弾力性、断熱性、防湿性、吸音性、耐水性、デザイン性などに優れるコルクは、加工されて、おもに
建材として使用されるが、特にその弾力性から、老人や子どもが生活する部屋の床材として重用される。
ワックス仕上げ、強化ウレタン仕上げ、セラミック仕上げなど、加工法によって強度やデザイン性に
違いがある。
現在では、シックハウスの原因となるホルムアルデヒドの発散を抑える素材として新たな注目を浴びている。
天然のコルクを厚さ5mm程度のタイルにしたもの。主に床材として使われる。
日光で色抜けすることがあるので、直射日光の差し込むスペースで使用するのは避けたほうがよい。
コレクティブ住宅(collective housing)とは、それぞれの独立した住戸のほかに、共同の食堂、
ラウンジなど共同スペースを備えた協同住居型集合住宅のことです。
北欧で生まれた居住スタイルで、複数の家族が集まって家事・育児などを分担し、食事を共にするなど、
個人のプライバシーを守りながら相互扶助の側面をもったライフスタイルとなっています。
日本では阪神・淡路大震災の災害復興住宅や高齢者によるグループ住宅などで採用され、
「ふれあい住宅」とも呼ばれています。
通常の抵当権と異なり、その物件が負担すべき最高限度額(極度額)を設定しておき、将来発生する
一定範囲の債権をその限度内で担保するもの。
コンパクトマンションとは、近年都市部で増えてきた、専有面積が30~50平方メートル前後のマンションです。
ワンルームとファミリータイプの中間タイプで、独身者や若いカップルが主な対象となっています。
室内は限られたスペースながら、最新設備を採用するなど、機能性や快適性を追求したものが主流です。
また、宅配ロッカーや防犯機能の付いたものが多く、中にはフロントサービス付きのホテルライクな
マンションもあります。
一般的にコンパクトマンションは、付加価値重視で、広さに対しては高めの物件が多いようですが、
投資用あるいは、将来住み替える際には賃貸に、と考える購入者も少なくありません。
剛心とは建物の、強さの中心のことをいいます。
建物には重さの中心としての「重心」がありますが、それとは別に、たとえば地震の時に、
その地震に耐えようとする、その建物が持っている強さの中心点があります。これを「剛心」と呼びます。
地震などで、建物に水平の力が加わった時、その力は重心にもっとも強く働くことになります。
しかし、建物の一番強い部分は剛心であるため、重心と剛心の距離が離れていると、そこに「ねじれ」が
生じて建物に損傷を与えてしまいます。これを避けるためには、耐力壁などをバランスよく配置して、
重心と剛心の距離を近づけてやることが必要となります。
五分五乗方式とは、「住宅資金等の贈与の特例」における計算方法のことです。
親または祖父母から住宅取得資金贈与を受けたとき、一定の条件により贈与税の軽減措置が
受けられます。
贈与金額が550万円までは、贈与税はかかりません。
550万円〜1500万円までの場合、金額を5で割って税額を計算し、その税額を5年に分けて贈与税を
払います。例えば、1000万円の贈与額では、毎年200万円の贈与を受けたものとして計算します。
基礎控除が5年間適用できるため、一度に贈与税を払うより安くなるわけです。
この特例は2005年12月31日をもって、適用が終了しました。
娯楽レクリエーション地区とは、特別用途地区のひとつを指します。興業場その他の娯楽施設、
スポーツまたはレクリエーション施設などにかかわる利便の増進、またはこれらの施設などにかかわる
環境の保護を図るため指定された地区です。たとえば、家屋や商店などが立て込んでいるような場所には、屋外のスポーツ施設などは作りにくい。このような場所選定の問題だけでなく、すべての点から
娯楽レクリエーション施設の建築をしやすくし、また、娯楽・スポーツなどの障害となる業種の進出を
規制する地区です。