主要構造部が火災に耐える構造であり、ドアや窓に防火設備を備えた建築物を「耐火建築物」という。
耐火建築物は建築基準法第2条9号の2で詳しく定義されている。
耐火建築物とは、主要構造部のすべてを「耐火構造」とし、延焼のおそれのある開口部(窓やドア)を
「防火戸」などとした建築物のことである。これは、主要構造部を火災に耐えるものとすることで建物の
倒壊を防ぎ、同時に開口部からの火の回りによる延焼を防止するという2つの性能を有していると
考えることができるだろう。
なお建築基準法が性能規定化されるのに伴って、近年では上記以外の耐火建築物も認められるように
なった。それは構造が「耐火構造」でなくとも、耐火性能が正式に検証されれば、耐火建築物として
認めるというものである。これによって、木造の建築物であっても耐火建築物として認定されるケースが
出てきた。しかし現状ではこうした新しい耐火建築物はあくまでも例外的な存在である。
退去の立会いとは、賃貸借していた部屋を入居者が出て行くときに、通常仲介者である不動産業者が
立ち会って、修繕の必要な個所を確かめること。賃貸借の場合、実費精算契約になっている場合が多い。
実費精算契約とは、借主の通常の使用によって発生する建物の自然損耗や劣化の補修費用については、
原則的には家主が負担するが、借主が故意・過失によって建物本体や付属設備に損害を与えた場合、
その費用は退去時に返還する敷金と相殺して精算するという契約。仲介不動産業者は、退去の際、
修繕職人とともに立会い、敷金と相殺するその費用を計算する。
退去理由とは、賃貸借入居者が、部屋を出て行く理由を指します。自分が貸主である場合は、
その理由をはっきりと聞き、不具合を改善するようにしなければなりません。
住居の不都合について一番よく知っているのは、もちろん住人自身。
一見おとなしそうな隣室の住人が実は深夜にいつもボリュームを大きくしてテレビを見るとか、
共用になっている庭に無断でごみを置くとか、また、室内ではないが、ベランダの屋根が雨漏りするとか。
こちらが大家である場合には、その事情をよく聞いて、これからの参考にしなければならない。
また、リフォームの要不要についても、退去理由を第一に考え、仲介業者と相談してすばやい対応を
するべきです。
対抗力とは、不動産売買等に関する問題の場合、登記の対抗力のことで、登記を行うことにより、
権利の主張ができるということを指します。登記を行うことで、所有権にしろ抵当権にしろその権利を
主張できるというのが、登記の対抗力です。逆にいうと、登記簿に書かれていることが、いま現在の事実に
合致していなくても、登記さえ持ち出せば、権利を主張できるということです。
その際、登記は、そこに記載されていることが事実かどうかを保証しない。
このことを登記簿には公信力がないといいます。
賃借権とは、賃貸借契約に基づいて、賃借人が目的物を使用収益できる権利のこと。
目的物が住居の場合、賃貸借している人、つまり入居者は、住居の所有者が変わっても賃借権により
保護される。
賃借権は、抵当権が設定される前から対象不動産に入居しており、家賃を遅滞なく払っている入居者に
付与される。
貸借権で保護された入居者は、競売などによって住居の所有者が変わっても、家賃を払い続ける限り、
その住居に住むことができる。つまり、追い出されたりしない権利を持つ。
耐震壁とは、筋違い(筋交い)や構造用合板などを用いて、横揺れに対抗できる郷土を確保した壁のことを
指します。在来工法(木造)の軸組み段階で、耐震構造がどこに施してあるかといえば、
それは筋違い(筋交い)と、火打ちです。筋違いは、柱と桁または胴差しの間に対角線上に渡し、
地震の横揺れで軸組みが歪むのを防ぐ。柱と桁・胴差しとは、金物でしっかり接合します。
火打ちのほうは、建物の隅部分にある土台や梁の変形を防ぐもの。土台に入れるのが火打ち土台、
梁に入れるのが火打ち梁。土台と梁はボルトでしっかり接合します。これに加えるに耐震壁があれば、
木造でも耐震性はかなり高いといえます。また、耐震壁は、適切に配置されているかも重要です。
縦横の方向のバランス、1階2階では同じ位置に耐震壁を設置するなど、いくつかのポイントがあります。
耐震設計は、1923年(大正12年)の関東大震災を機に、翌年初めて法規上に採り入れられた。
それ以降、地震による災害のたびにその概念は変わり続けたが、1978年の宮城県沖地震の際に、
それまでの耐震設計は根本から見直され、1981年の建築基準法から改正された。もともと耐震設計とは、
地震の際、建物の柱や梁などの構造部分を頑丈に作りすぎると、逆に建物のほかの部分は強い衝撃を
受けて大きな損傷を招くということから、構造部分の一部の損傷を許すことで、全体としては衝撃を
少なくするという狙いのものだった。しかし、1978年の宮城沖地震の際に、耐震設計の基準を満たした
建物が大きな被害を受けたため、それまでの考え方を変えて、1981年に新耐震設計法が採り入れられた。
太陽電池を利用して、太陽の光エネルギーを電気エネルギーに変換するシステムのことです。
温室効果ガスの一つである二酸化炭素を発生させないという特徴を持ちます。
特に石油など化石燃料を輸入に頼る日本では、新たなエネルギーシステムとして注目されています。
小規模な太陽光発電では、既に腕時計や電卓など広く普及しているものもあります。
さらに、最近では国民の環境意識の高まりから、一戸建て住宅やマンションにおいてもシステムの導入が
始まっています。また、発電量が利用量を上回る分は電力会社に買い取ってもらい、利用量が
発電量を上回るときには、電力を供給してもらうこともできます。
システム導入において公的な補助がありますが、設置コストの高さが普及の障害となっている点もあります。
耐力壁とは、建物自身や外から加えられる力に対して、抵抗力を持つ壁のことをいいます。
建物自身や、積雪による縦方向の力と、地震や強風などによる水平方向の力に抵抗して、建物を支える
壁のことです。典型的なものは、柱の間に斜めに筋かいを入れた壁ですが、構造用合板など一定の面材を
使った壁は、筋かいがなくても耐力壁となります。
特に地震の横揺れを想定したものは耐震壁とも呼ばれます。
これに対して、室内などに使われる抵抗力のない間仕切り壁は、非耐力壁の一種です。
宅地造成等規制法とは、宅地造成による崖崩れや土砂の流出による災害防止のための規制を行う
法律です。
1962年に施行され、2006年には一部改正法が施行されました。この法律に基づいて宅地造成工事規制
区域に指定されると、一定の宅地造成工事をするために、都道府県知事の許可が必要となります。
また、造成後も所有者に宅地の保全が義務付けられ、都道府県知事は、災害防止のために必要な
措置をとるよう勧告・命令することができることになっています。
さらに、2006年の改正では、宅地造成工事規制区域外にも、宅地造成に伴う災害防止のために、
「造成宅地防災区域」の指定制度が導入されました。この指定がなされると、宅地造成工事規制区域と
同様の規制を受けます。
宅地建物取引業を営む者について免許制度を実施し、その業に対し必要な規制を行うことにより、
その業務の適正な運営と宅地及び建物の取引の公正とを確保するとともに、宅地建物取引業の健全な
発達を促進し、もって購入者等の利益の保護と宅地及び建物の流通の円滑化とを図ることを目的と
しているものである。(宅建業法第1条)
宅地建物取引主任者とは、宅地建物取引主任者証の交付を受けた有資格者をいいます。
資格試験に合格し、都道府県知事の登録を受け、さらに宅地建物取引主任者証の交付を受けます。
登録を受けるには、宅地建物取引に関し2年以上の実務経験を有する者、又は国土交通大臣が
認めた者でなければなりません。
宅地建物取引主任者証の有効期間は5年で、更新には、都道府県知事が指定する講習を受講する必要が
あります。
宅地建物取引主任者は以下の業務を独占的に行います。
• 取引の当事者に対する重要事項の説明
• 重要事項説明書の内容確認と記名押印
• 「契約書」の内容確認と記名押印
宅地建物取引業者は、事務所ごとに一定数の宅地建物取引主任者を置くことが義務づけられています。
竹フローリングとは、自然素材である竹を床材に使った工法。シックハウス問題が注目されて以降、
集成材の代わりに天然素材を使った家造りが人気を呼んでいるが、竹フローリングもそのひとつ。
竹は、防菌、防カビ効果に優れ、堅牢さ、耐久性においても抜群の素材。また、見た目も美しく、床建材として適している。しかし、なんといっても、シックハウスの原因であるホルムアルデヒドの発散がほとんど
ないことと、ハウスダストの主原因であるダニを寄せつけないという点が最も優れた点だ。
立退料とは、家主が借主に対し、借家からの立退きを求めるにあたり、借主の不利益を補償する意味で
支払われる金銭その他の給付をいいます。
立退料の額は双方が合意すれば当事者双方を拘束し、建物の明け渡しは特別の事情がなければ
立退料の支払と同時が基本である。
建売住宅とは、不動産会社が土地に建物を建て、土地と建物を一体として販売する住宅のことです。
構造・設計は不動産会社でプランニングし、建築確認を取得した後に販売されます。
そのため、注文住宅のように、基礎や工法、間取りなど基本部分から自由に作り上げることはできません。
その半面、すでに設計ができているので出来上がりがイメージしやすく、また、規格化された建材や
標準化した設備などを採用することで、コスト低減と工期の短縮が可能になります。
かつては建売住宅というと、「出来合いの安上がりな住宅」というイメージがありましたが、現在では、
各メーカーによって多彩なブランドやシリーズが登場し、一方では高級化の傾向が強まっています。
旧住宅金融公庫による、新築一戸建て住宅を購入する際の融資制度です。
建売業者が分譲している建売住宅で、融資が受けられる住宅は、
1. 機構融資対象建売住宅確認書が交付されていること
2. 申込日以前2年以内に機構の現場検査に合格した住宅か建築工事中のもの
3. まだ人が住んだことのない住宅
4. 購入価格が1億円未満であること
5. 敷地の権利が所有権または借地権(定期借地権付住宅も)であること
となっています。
2007年4月、住宅金融支援機構への移行により、融資の対象が住宅債券(つみたてくん)または
住宅積立郵便貯金の積立者に限定されました。
現在、建っている建物を取り壊して、新たに建物を建築することで、特に分譲マンションの場合にいいます。
従来、マンションの建替えは、老朽や損傷などで、損傷、一部滅失して、修復や復旧に費用が
かかりすぎると判断された場合や、建替え前の建物と、使用目的や敷地が同一であること、
などに限られていました。しかし、2002年に交付された「マンションの建替えの円滑化などに対する法律」、
「建物の区分所有などに関する法律の一部を改正する法律」では、これらの要件は撤廃、
及び一部緩和されたため、単に区分所有者および議決権の各5分の4以上の多数決のみで
建替えができるようになりました。
また、建替えに合意した区分所有者で設立する組合に法人格が与えられたので、民間事業者が組合に
参加することや、組合が一括して権利変換や登記の一括処理を行ったり、非参加所有者から組合が
権利を買い取ることが可能になりました。
建物施設図とは、敷地の上にどのような建物がどういうふうに建っているのかを示した図のことです。
登記簿、公図、地積測量図などと同様、法務局に保管されています。
公図は、土地の位置、形状及び地番を表示したものです。
地積測量図は、過去に測量結果、境界を表示したものです。
建築施設図は、その土地の上に、建物がどのように建築されているかが表示されたもので、
設計図のように、上から見た図で描かれています。
1992年に施行された借地借家法によって創設された定期借地権の一形態です。
建物譲渡特約付借地権では、借地契約を設定するさいに、設定から30年以上経過した日に建物を
相当の対価で地主に譲渡することが約定されます。この譲渡がなされると、借地契約は終了します。
建物譲渡特約付借地権は、土地開発業者(ディベロッパー)などが賃貸用のビルやマンションを建設し、
家賃収入を得て、30年後に地主に売却するといった事業スタイルに活用されます。
建物図面とは、建物の配置、形状、縮尺、家屋番号などが表示されている図面を指します。
建物を新築したときなどの表示登記の際に添付するものです。建物図面とは、建物の配置、形状、縮尺、
家屋番号などが表示されているもので、通常の場合、一戸建てであれば、同じ用紙の上に各階平面図も
記載されています。各階平面図のほうは、フロアごとの形状、縮尺、寸法、求積表などが記されています。
マンションなどの区分所有建築物では、各部屋ごとに建物図面と各階平面図が備えられています。
建物の所在する土地の図面、各階の建物平面図、建物の立面図、などです。
しかし、建物図面はすべての建物に備えられているわけではない。というのも、図面に関する規定が
できたのが1967年(昭和42年)なので、それ以前に新築されたような家だと図面が初めから存在しません。
田の字プランとは、真ん中に廊下が延び、中央にはキッチンや浴室をはさんで、居室とリビングが
田の字型に配されたプランのことをいいます。他の間取りと比べて、住戸の数を多く設けられるので、
マンションでは最も一般的な間取りとなっています。
超高層マンションとは、高さが60メートルを超える住居用建築物のことをいいます。建築基準法では、
高さが60メートルを超える建築物を「超高層建築物」としています。一般的には、高さが60メートル超、
又は階数が20階超の住居用建築物を指して超高層マンションと呼ばれています。
タワーマンションともいいます。
短期譲渡所得とは、その年の1月1日において所有期間が5年以下の土地や、建物を譲渡した場合の
所得をいいます。譲渡所得とは、土地や建物などの資産を譲渡したときや、交換したことによって生ずる
所得のことをいい、土地や建物などを譲渡したときの譲渡所得は、その所有期間によって、
長期譲渡所得と短期譲渡所得とに分けられます。
短期賃貸借とは、住居を賃借しているその物件に、入居以前から抵当権が設定されており、
その後入居中に、所有者(大家)の債務不履行から抵当権が行使され、
その物件が競売にかけられることになった場合でも、落札後3年間は、そこに住み続けていい、という権利。
単純承認とは、遺産の相続について、相続人のとる態度のひとつを指します。ほかに、限定承認、相続の
放棄があります。相続人は、自分が相続人になっていることを知ったときから3ヶ月以内に、相続の
単純承認、限定承認、あるいは相続の放棄をしなければならない。単純承認した場合は、相続される人の
権利義務を無限に受け継ぐことになります。つまり、遺産がすべて借金であった場合、単純承認した
相続人は、自分の財産から返済しなくてはならない(民法920条)。また、上記期間内に限定承認も
相続放棄もしなかった場合は、単純承認したとみなされる(法定単純承認)。
単体規定とは、建築基準法を構成する三要素、法令運用上の総括的規定、単体規定、集団規定のうちの
ひとつを指します。個々の建築物が備えていなければならない安全確保のための技術的基準を
定めたものです。単体規定は七つの項目から成ります。1.建築物の敷地の衛生と安全性、2.構造耐力上の
安全性、3.建築物の用途、規模による使用上の安全性、4.防火性や耐火性、5.耐久性や対候性、
6.建築材料に対する規制、7.特殊建築物に対する避難や消火に関する技術的基準です。
ただたんに強固で破壊されないというだけではなく、その建築物を使用する側の立場に立って、その人の
健康や財産に損害を与えないようにチェックすることがこの規定の目的です。
集団規定は、都市計画区域内のみで適用されるものに対して単体規定は、全国どこにおいても
建築物に適用されるものです。
担保とは、金銭債務が履行されない場合、その履行に代えて債権者が担保として提供を受けたものに
ついて一方的に換価し、債務の弁済に当てる権利もしくは、その目的物のこと。
第1種住居地域とは、住居の環境を守るための地域です。
建ぺい率は50・60・80パーセント(ただし、角地は割増になることがあります)、容積率は100~500パーセント
です。
住居以外では、床面積3000平方メートルまでの一定の条件の店舗・事務所・ホテル・ボーリング場や
ゴルフ練習場などが建てられます。また、税務署・郵便局・警察署・消防署などは建物の規模に
関係なく建てられます。
マージャン店・パチンコ店・カラオケボックスなどの遊戯施設は、規模にかかわらず建築できません。
第1種中高層住居専用地域とは、中高層住宅の良好な住環境を守るための地域です。
建ぺい率は30・40・50・60パーセント、容積率は100~500パーセントです。
絶対高さ制限がないので、容積率に応じて4階建て以上の中高層マンションなどを建てることができます。
また、店舗や飲食店(床面積500平方メートル以内・2階以下)、大学・病院、自動車車庫
(床面積300平方メートル以内・2階以下)などの建築物を建てることができます。
ゴルフ練習場・パチンコ店などの遊戯施設、ホテルなどの宿泊施設は建てられません。
第1種低層住居専用地域とは、低層住居の良好な環境を守るための地域です。
建ぺい率は30・40・50・60パーセント、容積率は50~200パーセントです。建物の高さは、
10または12メートル以下に制限されています。この地域で住宅以外に建てられるのは、保育所や
小中学校、小規模な公共施設、診療所、老人ホームなどに限られます。店舗を兼ねた住宅の場合は、
店舗等の広さが50平方メートル以内に限られます。
閑静な住宅街が広がり、住環境には最も適した地域ということができます。
第2種住居地域とは、主に住居の環境を守るための地域です。
建ぺい率は60パーセント、容積率は200~400パーセントです。
この地域に建てられるのは、住居以外には宗教施設(寺院など)、診療所、小中高などが建てられ、
床面積10000平方メートル以下の店舗や事務所、大学や病院などが建てられます。また、自動車教習所、
ホテル、カラオケボックス、パチンコ店なども可能です。
第2種中高層住居専用地域とは、主に中高層住宅の良好な環境を守るための地域です。
建ぺい率は30・40・50・60パーセント、容積率は100~500パーセントです。
この地域では、住宅のほかに広めの店舗(床面積1500平方メートル以内)や一定条件の事務所
(2階建て以内)も建てることができます。また、パン・米・豆腐・菓子などの食品製造業
(作業場の床面積が50平方メートル以内)の工場も建てられます。
第2種低層住居専用地域とは、主に低層住居の良好な環境を守るための地域です。
建ぺい率は、30・40・50・60パーセント、容積率は50~200パーセントです。建物の高さは、10または
12メートル以下に制限されています。この地域では、第1種低層住居専用地域と同様に、住居、小中学校、
住居を兼ねた小店舗などを建てることができます。それ以外には、2階建て以下で床面積が
150平方メートル以内の商店、食堂、塾などを建てることができます。また自家製造販売の店も作業場の
面積が50平方メートル以内なら建てられます。
閑静な住宅街ですが、コンビニなどの小規模な店舗があります。
第3種特定有害物質とは、土壌汚染対策法において人の健康に害を生ずる恐れが大きいものとして
指定された25種の特定有害物質のうち、農薬などに該当する5種類の物質のことを指します。
具体的には、以下のもの。1. シマジン=除草剤などの農薬に含まれ、頭痛、嗅覚喪失などを引き起こす。
2. チオベンカルブ=除草剤などに含まれ、嘔吐などを引き起こす。3. チウラム=殺菌剤などの農薬に
含まれ、咽頭痛、発疹などを引き起こす。4. ポリ塩化ビフェニル=触媒、電気絶縁体、変圧器などに
含有され、にきび状発疹、色素異常沈着などを引き起こす。5. 有機リン=殺虫剤などの農薬に含まれ、
脱力感、頭痛などを引き起こす。
ダイオキシン類による環境汚染を防止するため、排出基準や汚染土壌にかかわる措置を定めた法律です。
ダイオキシン類が人の健康や生命に重大な影響を与える物質であることから、1999年に施行されました。
この法律では、ダイオキシン類が発生する特定施設の事業者に届出が義務づけられ、測定・報告が必要で、
測定結果は公表されます。この法律で指定されているダイオキシン類とは、
ポリ塩化ジベンゾーパラージオキシン、ポリ塩化ジベンゾフラン、コプラナーポリ塩化ビフェニルの3種類で、
廃棄物の燃焼過程で発生する毒性の強い物質です。
抵当権が設定された不動産が売却された際に、銀行(抵当権者)から、買主(第三取得者)に対して、
売買代金と引換えに抵当権の抹消をすること。第三取得者のほうから要求することはできない。
売買代金が被担保債権額に満たない場合でも、抵当権は消滅する。残った債権は、担保のない債権となる。
大規模修繕工事とは、集合住宅において、建築物の全体または大部分を対象とする修繕工事のこと。
大規模修繕工事の費用には、主に修繕積立金が充てられる。
一般的に、総戸数が100戸を超えるマンションを大規模マンションといいます。
中には数百戸の規模のものもあります。工場跡地や大学キャンパス跡地など、広大な敷地に
建てられることが多く、敷地内にスーパーやコンビニなどの商業施設や、郵便局、銀行、保育施設、
医療施設などが併設されている場合もあります。規模が大きくなると、共用施設なども充実し、また、
広場や遊歩道など空地も広くとられ、開放感があるつくりとなります。
代物弁済仮登記とは、借入金や買掛金が払えなくなった場合に、不動産の所有権を譲渡することで債務の
弁済をなす、ということを不動産登記簿に仮登記すること。
段階金利制度とは、一定期間経過後に適用する融資金利が変わる制度のことを指します。
住宅金融公庫の住宅ローン金利が代表的です。住宅金融公庫の住宅ローンは、全期間同一の金利では
なく、11年目以降返済終了までは金利がやや上昇する2段階の固定金利制度になっています。
住宅金融公庫では、2005年4月以降、当初10年間と11年目以降の段階金利差を縮小することになっており、2005年度中に段階金利は廃止されます。
団体信用生命保険とは、住宅ローン申請者に万一のことがあった場合に、住宅ローンの残債を返済する
保険のことです。略して、団信と呼ばれます。ローン返済途中で、申請者(債務者)が死亡したり高度障害と
なったとき、債務者に代わって保険会社がローン残債を一括返済します。そのため、家族は残ったローンを
支払う必要がなくなります。民間金融機関の住宅ローンでは、加入が義務づけられています。
公庫融資および「フラット35」では任意加入ですが、加入する場合が多いようです。
団体信用生命保険料(特約料)とは、団体信用生命保険(団信)の保険料のこと。住宅金融公庫の団信は
毎年払い。民間金融機関の団信は貸出し金利に含まれている。
地価とは、土地の価格のこと。一般的には実勢価格(時価)のことを指す。
地下室とは、地下にある部屋のことです。建築基準法では、床から地盤までの高さが、その階の
天井までの高さの1/3以上のもののことを地下室と定めています。
地下室は、高い防音性を生かして音楽室として利用したり、年間を通じての温度差が小さいことを生かして
食品の貯蔵庫として利用することができますが、採光・換気を確保しにくく、湿気がたまりやすいので
注意が必要です。
地下室マンションとは、斜面を利用して、表側は5階建だが、斜面側から見ると10階建てになっている、
といったような変形マンションのこと。斜面緑地の減少などから、さまざまな論議を呼んでいる。
地価税とは、平成4年の1月から実施されたもので、個人や法人が毎年1月1日において有する土地等を
課税対象とする税のことです。
平成10年以降、地価の下落に対応した土地税制の見直しから、地価税の課税を当分の間行わないことと
なり、現在は課税されていない。
地球を取り巻く大気中の二酸化炭素,メタン等の微量ガスは,地表から宇宙へ放射される赤外線を
吸収する性質をもち,地表の気温を生物の生存に適当な程度に保っています。
これらのガスの大気中の濃度は着実に増加していることが広く観察されていますが,このような増加は,
地球の温暖化をもたらし,人間をはじめ広く生態系に大きな影響を及ぼすことになるものと
懸念されています。
築年月とは、戸建住宅や集合住宅の建てられた、竣工時の日付のこと。
広告やパンフレットの情報欄には、「築年月/平成15年10月完成」のように記される。
地上権とは、他人の土地において、工作物を所有するために土地を使用する権利のことです。
工作物が建物の場合には、借地権として借地借家法の保護を受けます。
地上権は賃借権と似ていますが、次のような違いがあります。
• 賃借権は債権ですが、地上権は物権です
• 地上権は地主の承諾がなくても、譲渡・転貸できます
• 地上権が設定されると土地所有者に登記義務が生じ、地上権は登記簿に登記されています
(賃借権は登記されていないのが大半です)
土地の公図をもとに計算された登記簿上の土地面積のことを、地積といいます。
地目(土地の種類)とともに、不動産登記簿の表題部に記載されています。
なお、公図は、明治初期の地租改正の時に行われた検地をもとに作られているので、
実際の面積とは違ったり、境界もはっきりしないなど不正確な面が多くあります。
地積測量図とは、土地の登記簿に付随して法務局に備えられている図面で、その土地の形状、
地積(面積)と求積方法などが記されたものを指します。土地の表示登記や分筆登記を申請する際に、
土地家屋調査士が作成し、登記所へ提出する書面。正確な測量技術により土地の面積、土地の形状が
記載されている。すべての土地の登記簿に地積は記載されているが、すべての登記簿に地積測量図が
あるわけではありません。これは、地積測量図が、分筆の際に提出されるのがほとんどだからで、
過去に分筆されたことのない土地や、分筆とは反対に合筆された場合にも地積測量図は存在しません。
しかも、地積測量図について規定されたのは1960年のことで、それ以前には、分筆に関しても
地積測量図は存在しません。
地盤の荷重に対する力をいう。造成地の盛土部分や軟弱地盤に建物を建てる場合は、前もって
地耐力を調べる必要がある。
登記上、定められた個々の土地に付される番号を「地番」といいます。地番地域ごとに起番されます。
地番はあくまで土地登記に関するものであり、郵便物を出す際などに利用する住居表示とは異なります。
着工とは、工事に着手することを指します。起工も同じ。反対語は、竣工、完工。木造による一軒家が
出来上がるまでの過程は、だいたい次のようになります。地盤調査・敷地調査→地鎮祭→基礎工事→
上棟→木工事→外装工事→内装工事→建具・家具工事→タイル工事→器具取り付け→竣工。
見てもらえばわかるとおり、地鎮祭が終わったところで、いざ着工ということになります。地鎮祭では神主が
工事の安全を祈願します。また、軸組みが終わると今度は上棟式が行われます。ここでは棟梁が残りの
工事の安全を祈願します。竣工後には、施主検査を行い、満足がいけば施主の手に引き渡されます。
仲介会社とは、業務的には一般仲介業者と同じだが、「仲介会社」と呼ぶ場合、大手の不動産仲介会社を
指す場合が多い。不動産投資、しかも自分が賃貸物件の大家になって賃料を収入にしようと考えるなら、
なるべく大手の不動産仲介会社に入居者募集を依頼するのが望ましい。というのも、規模の大きな会社は
募集エリアも広いので、そのぶん、良好な入居者を早く見つけてくれるというメリットがあるからだ。
さらに、依頼する会社はひとつに限らず、何社かに頼むことが成功の秘訣だ。
仲介業者とは、売主と買主の間に立って、情報を提供し、売買(賃貸)契約をまとめる業者のこと。
仲介業者は手数料が収入となる。
中間検査とは、建物が建った後では隠れて見えなくなってしまう部分を、工事の施工中に検査する制度の
ことをいいます。
工事監理および工事施工が適切に行われているかどうかを確認することが検査の目的です。
工事完了時には隠されてしまう部分、たとえば鉄筋コンクリート造などでは、鉄筋の配筋工事の状態などを、コンクリートを打ち込む前のタイミングで検査します。中間検査に合格すると、「中間検査合格証」の交付を
受けます。中間検査は、かつては指定地域を対象として行なわれていましたが、2007年の
建築基準法改正によって、3階建て以上の共同住宅については全国どこでも義務化されました。
分譲マンションなどの区分所有建物における管理規約について一定のガイドラインを示すために、
国土交通省(旧・建設省)が昭和57年に作成したマンション管理規約のモデルのこと。
現在は名称が変更され、「マンション標準管理規約」となっている。
特別用途地区のひとつ。中高層の階を「住宅以外」の用途に使用する場合に、建築物の規制を強化する
地区である。市町村が指定する。
住宅の品質確保促進法(品確法)に基づいて、第三者機関が新築住宅の性能を審査し、評価書を交付する
国の制度。設計段階で行う「設計住宅性能評価書」と、施工段階・完成段階の検査を経て行う
「建設住宅性能評価書」の2種類の審査がある。構造や耐火性、高齢者への配慮など9分野28項目に
ついて評価する。
中古住宅登録基準適合確認書とは、(財)住宅保証機構の中古住宅保証制度(現・既存住宅保証制度)に
よる保証を受けるためにクリアしなければならない、必要な条件のひとつ。
中古住宅保証制度とは、(財)住宅保証機構が行っている三つの住宅保証のうちのひとつを指します。
現在は、既存住宅保証制度という名称に変わっています。(財)住宅保証機構のおもな機能は、三つの
保証制度。ひとつ目は、住宅完成保証制度。ふたつ目は、住宅性能保証制度。三つ目が、
既存住宅保証制度で、これまで中古住宅保証制度と呼ばれていたものです。既存住宅の売買を望む人に、
保証した物件に万が一雨漏り、傾く、などのトラブルが生じても最長5年間は、住宅保証機構が補修費の
大部分を払ってくれるというもの。ただし、それには、以下のような条件がある。1.新築後15年以内の建物で
あること。2.新築時点で、住宅機構が指定する団体の中間調査を受けていること。3.増改築工事が全体の
半分を超えていないこと。4.登録時点で、住宅機構が定める既存住宅保証登録基準に適合したものです。
中古住宅を売ったり買ったりする際にご利用いただける最長5年間の保証制度です。
この制度は、国庫補助金を活用した中古住宅保証促進基金によりバックアップされています。
駐車場整備地区とは、駐車場法(1957年制定)を根拠法とした、都市計画内の地域地区のひとつで、
おもに用途地域の商業地域内などで、円滑な道路交通を確保するために、自治体が指定する地域を
指します。特別用途地区などと同様、この地区内の建築物は制限を受けます。地方自治体は、
駐車場整備地区(さらに、その周辺地区)を指定し、その地区内に民間による駐車場の設置を促したり、
自治体自らが運営する駐車場を設けたりして、道路交通の円滑化を図るとともに、その地区の商業地と
しての盛り上がりを手助けにします。この地区内に新しく劇場、映画館、店舗などを作るためには、
一定規模以上の建物の場合、その延床面積に応じた駐車場を設置することが必須条件となります。
抽選会とは、新築マンションのなかでも人気の高い物件について、購入希望者がその分譲戸数を
上回るとき、購入可能者を抽選で選ぶこと。不動産会社では、登録(一般的に早いもの順)した人の
なかから抽選会を行い、当たった人と契約を進めていく
10年後20年後を見据えて、マンションを定期的に修繕する計画のこと。住宅の寿命を延ばし、快適に
暮らすためには、築10年前後、築20年前後をめどに外壁を塗り替えるなど、大規模な修繕が必要となる。
公庫を利用できるマンションでは、20年以上の長期修繕計画の作成や、一定額以上の修繕積立金の
徴収が条件となっている。
長期譲渡所得とは、その年の1月1日において所有期間が5年を超える土地や、建物を譲渡した場合の
所得のことをいいます。譲渡所得とは、土地や建物などの資産を譲渡したときや、交換したことによって
生ずる所得のことをいい、土地や建物などを譲渡したときの譲渡所得は、その所有期間によって、
短期譲渡所得と長期譲渡所得とに分けられます。
超高層建築物とは、建築基準法によると、高さ60m以上の建築物のことを指します。日本の建築基準法は、
イギリスを手本として作られ、長い間それに倣って、建築物の高さの制限は100フィート(約31m)だった。
それが、1963年7月および1970年6月の改正により、容積地区制が採用され、また、高さの制限が
解除されたために、それ以降、続々と高層ビル、超高層ビルが出現しました。不動産物件で言えば、
超高層マンションの登場は1976年完成の与野ハウス(埼玉県)に始まり、いわゆるバブル期には、
年間10棟以上のペースで超高層マンションが建てられました。阪神大震災ののち、ブームは下降気味に
見えたが、1999年には15棟、2000年には22棟、2001年には25棟と、これまでにない上昇カーブを描いて
ブームは頂点に達しました。このブームの底流にはいつのまにか定着していった超高層は地震時には逆に
安心というイメージがあることは間違いない。これを請け負うように、もちろん、建築基準法でも、
超高層建築物には構造計算においてもほかとは違う厳しい基準を設けています。
調停とは、なにかをめぐる紛争が当事者同士の話し合いで解決がつかないとき、第三者が介入することで
双方の合意を得ることを指します。不動産トラブルの場合は、民事なので民事調停といいます。
民事調停を申し立てるのは通常は簡易裁判所で、そこでは裁判官1名と調停委員2名の合計3人により、
当事者同士の話し合いが進められます。裁判官と調停委員は、調停案を提出し、双方がそれに
合意すれば調停調書が作成されます。調停は1回で解決することはまれで、20~30日ごとの間隔で
繰り返されることが多い。調停は、民事調停法に基づく手続で、調停が成立すれば裁判所によって
調停調書が作成され、申立てにより双方に送達されます。調停調書は、判決とほぼ同じ効力を持ちます。
申し立て費用(手数料)は、印紙代と、相手を呼び出すための郵便代だが、調停全体の手数料は、これに、
紛争で扱われた金額に応じたものが加算されます。
張壁とは、壁のうち、耐力壁でない間仕切り壁のことを指します。壁には大きく分けて、耐力壁と
そうでないものがあります。耐力壁とは、木造の場合、筋交いや構造用の合板で造られた壁で、地震、
台風などに耐えるとともに、年月による建物の変形にも耐えうるよう造られた壁のことです。マンションの
場合は、鉄筋コンクリートの壁がそのまま耐力壁。張壁は、この規格には合致しない、間仕切り壁のこと
です。また、近年、高層ビルにおいて、建物自体の重量を軽くするために使用されるようになった外壁の
カーテンウォールも張壁です。
民間賃貸住宅の貸主・借主間のトラブルを未然に防止するため、平成5年1月住宅宅地審議会から
答申された賃貸契約書のひな形のこと。実態、諸法令、判例などを踏まえ、内容が明確、十分かつ
合理的なモデルとして作成され、法令及び信義則に反しない限り、必要に応じてその内容を加除できる。
主な特色は以下の通りである。
① 物件、契約期間、賃料など約定事項をまとめて頭書部分に記載。
② 賃料の改定事由の明示(第4条)、退去時の敷金の取扱い(第6条)、禁止・制限行為の明示(第7条)、
修繕義務・原状回復義務の範囲の明示(第8条、第11条)、契約解除事由の明示(第9条)等。
建設省は、通達や各種広報措置を通じて、この契約書の周知を図り、活用を勧めている。
不動産業者が土地などを購入することであり、これを行うことを地上げ活動という。 一般に事務所用地、
分譲用地の買収など事業用土地を確保する場合に用いられる。
地すべり等関連住宅融資とは、地すべりや急傾斜地の崩壊により被害を受けるおそれのある家屋を
移転したり、これに代わる住宅を建設する場合に利用できる住宅金融公庫の融資制度を指します。
融資の対象となる地すべり等関連住宅には、地すべり関連住宅、土砂災害関連住宅、密集市街地関連
住宅の三つがあります。融資の申し込みをするためには、地方公共団体から住宅の移転等を要することを
証明する書類の発行を受けなければならない。また融資を受けることができる住宅にも、
一定の条件があります。
土地の現況および利用状況による区分をいい、不動産登記法施行令3条によれば、土地の主たる用途に
より、田、畑、宅地、塩田、鉱泉地、池沼、山林、牧場、原野、墓地、境内地、運河用地、水道用地、
用悪水路、ため池、堤、井溝、保安林、公衆用道路、公園、雑種地の21種類に区分されている。
不動産取引に当たっては、田・畑など地目によっては権利の移転等に制限がある場合があり、
また登記簿上の地目と土地の現実の利用状況が一致していない場合もあることに、留意する必要がある。
北米で生まれた木造建築の工法。2インチ×4インチの木材を多く使うため、こう呼ばれる。わが国における
正式名称は「枠組壁工法」である。
この工法のルーツは、19世紀の北米で、現在ではアメリカ及びカナダの木造住宅の90パーセント以上が
ツーバイフォー工法で建てられている。その特徴は面構造。
日本では、古来、柱や梁で骨組みを造ってから、その間を埋めるように壁や天井を造っていく軸組工法が
主流だった。これに対しツーバイフォー工法では、床、壁、天井が初めから面として造られ、面と面を
組み合わせて六面体を組み立てていく。耐震性、気密性、断熱性に優れているのが特長。
通行地役権とは、通行という目的のために設定される地役権のことである(民法第280条)。
例えばA氏の所有地が、ある公道に面しているとする。しかしA氏がその公道を使用すると、
通勤の関係では遠回りになるので、できることならば、裏手にあるB氏の所有地を横切って、その向こうに
ある別の公道に出たいと考えているとする。このときA氏がB氏の所有地を通行するには、A氏がB氏の
土地の一部を賃借するという方法がまず考えられる。しかしながら賃借権を設定するならば、その土地の
一部をA氏が排他的・独占的に使用することとなる。そのためB氏の承諾を得ることが難しいし、また
賃借料も高額になるであろう。こうした場合によく用いられるのが通行地役権である。
通行地役権の場合には、その目的が「A氏の通行」に限定されているため、賃借権の場合に起きるであろう
問題を回避することができるからである。こうした通行地役権を設定するには、要役地の所有者
(上記例ではA氏)と承役地の所有者(上記例ではB氏)との間で「地役権設定契約」を締結することが
必要である。この設定契約において地役権の対価(通行料の支払い)が定められるが、法律上は無償の
地役権とすることも可能である。また地役権は登記することができる(不動産登記法第114条)。
束(つか)とは床束(ゆかづか)のことを指します。木造建築の一階の床組材で大引きを支える鉛直材です。
一般に、断面寸法が9cm角程度で90cm間隔に設けられます。束とは床束のことで、家の床下で、
平行材である大引きを支える短い角材です。基礎の上に据えられた束石(つかいし)の上に乗っています。
上部仕口(じょうぶしくち)=木材の接合部は、そのまま大引きと平面で接して、斜め釘うちの上に
かすかい打ち、またはほぞ差しで釘打ちとします。
住宅が売れるまでの間、半年~1年程度の短期間だけ借りるものを「つなぎ融資」という。一般の
住宅ローンより、金利が高めで利息は一括払いのケースが多い。
坪は、尺貫法による面積の単位。ひと坪は、約3.3058平方メートルに当たる。
より厳密な定義では、縦1間(6尺)、横1間の正方形の面積がひと坪。一般的には、畳2畳の広さに当たる。
奈良時代に、いまとはまったく違う広さを表す「坪」という単位が見られ、それは、歩いてどれくらいの
広さかということで「ひとつ歩(ほ)」つまり、「ひとつほ」からきているという。日本では、1959年、尺貫法に
代えて、メートル法が施行された(ちなみにメートルは、地球の子午線の極と赤道間の距離の1千万分の1の
長さ)。不動産の世界ではいまだに坪が使われることが多いが、これは、日本人が畳2畳の広さを
イメージしやすいからだという。ちなみに、売買契約の際大事なのは、単純な価格の比較ではなく、
坪単価による比較だ。
土地やマンションなどの一坪あたりの価格のことです。(一坪は約3.3㎡です。)
積荷試験とは、土地の地耐力を測るための試験を指します。地耐力とは、地盤が荷重に耐えうる力の
ことで、一般に1平方メートルで何tの重さを支えられるかで表します。平板載荷試験ともいいます。
建物の耐久性において、最も重要なポイントは、地盤。地盤が建物の荷重に耐え切れないと、地震などに
襲われる前に、家は自分の重さで傾き、崩壊してしまいます。この地盤の強さを地耐力という。
地耐力によって、その上に築く基礎の形も変わってきます。具体的には、3t以上の地耐力を持つ地盤なら
布基礎でよく、それより弱いならベタ基礎。造成地の盛り土部分や軟弱地盤に建築物を建てる場合は、
あらかじめ地盤の調査をしておくほうがいいです。地耐力の調査方法としては、3t以下なら、
標準貫入試験、積荷試験、3t前後では、スウェーデン式サウンディング法などがあります。積荷試験は、
地耐力を測るため、実際に荷重を土地の上にかけていくやり方だが、この試験では、ほかの試験に比べ、
土の層の把握はできないため、積荷試験単独で行うべきではない、とされています。
平成4年8月1日より施行された借地借家法で新たに創設された制度。更新がなく、定められた契約期間で
確定的に借地関係が終了する。従前の借地法では、存続期間が満了しても借地権が消滅するわけでは
なく、正当事由が必要であった。その結果、借地権を設定することが躊躇され、設定する場合においては、
高い権利金等の支払いが生じていた。そこで、借地借家法は、借地法の大原則である「存続期間が
満了しても借地権は当然には消滅しない」という仕組みに対して、一定の場合には例外を認める、つまり
一定の範囲で、更新のない借地権を認めることとし、新たに以下の3つの類型の定期借地権を創設した。
(1)存続期間を50年以上と定めることを要件とする「一般定期借地権」(同法第22条)
(2)借地権を設定した日から30年以上を経過した日に借地上の建物を借地人から地主に譲渡することを
あらかじめ約束して借地をする「建物譲渡特約付借地権」(同法第23条)
(3)事業目的で存続期間を10年から20年以下とする「事業用借地権」(同法第24条) この定期借地権
制度が利用されることによって土地を貸しやすく借りやすくなり、借地の新規供給、利用の幅が広がる
ことが期待されている。
定期借地権は、平成4年8月1日から施工された新借地権法に盛り込まれた新しい土地の権利関係で、
契約期間や用途、契約内容によって「一般定期借地権」「建物譲渡特約付き借地権」「事業用定期借地権」がある。マイホームの分譲で主に利用されるのが一般定期借地権付きの住宅。土地を地主から50年以上の
契約(一般には50年)で借り、そこに建物を建てる。契約時に保証金または権利金を払い、契約期間中は
地代を払う。契約期間が終われば、建物を取り壊し、更地にして地主に返す仕組み。土地を所有する場合と
比較すると、住宅取得費用がかなり抑えられ、同じ規模で比べると一戸建てでは半額程度、マンションなら
7割程度で取得できる。借地権には「地上権」と「借地権」がある。
定期借地権付住宅融資とは、定期借地権付きのマンションや一戸建てに対する住宅ローンのこと。
住宅金融公庫のほか、民間金融機関でも取り扱っている。住宅金融公庫では、定期借地権付住宅に
対しても、建物部分の最大8割までは融資を行っている。また賃借権(地上権)の取得費として
支払われている権利金や保証金も融資の対象となる場合がある。民間金融機関では、建物代金+
保証金または権利金の80パーセント~95パーセントを限度に融資するケースが多い。
土地の持ち主から、業者が長期間(50年以上)の契約で土地を借りて建てたマンションのこと。
契約期間が終わると、建物を壊して更地にして土地を返す。
定着物とは、土地の上に定着した物を言う。具体的には、建物、樹木、未分離の果実、移動困難な
庭石などが定着物である。なお土砂は土地そのものであり、定着物ではない。
定着物は、土地から分離することができないので、原則として定着物は土地の所有権に吸収され、
土地の取引とともに取引され、土地と法律的運命をともにすることに最大の特徴がある。
ただしこの例外として次のような定着物がある
1)建物
定着物のうち、建物は常に土地から独立した定着物であり、独立して取引の対象となる。
ただし建築中の建物は、土地から独立した定着物ではない。
2)立木(りゅうぼく)法により登記された立木
定着物のうち、立木法により登記された立木(注:立木とは樹木の集団のこと)は、建物と同様に、
土地から独立した定着物となる。
3)果実、桑葉、立木法により登記されていない立木など
これらはすべて定着物であるが、明認方法を施すことにより、土地から分離して取引することができる。
債務者または第三者(物上保証人)に用益させたままで、債務の担保として提供した不動産等について、
優先弁済を受ける担保物権をいう(民法369条以下)。債務の履行が無い場合は、担保にとった物件を
強制的に競売して、優先弁済を受けることができる。抵当権者は目的物の交換価値だけを確保し、
設定者に使用収益権を留保することから、生産財について最も合理的な担保とされ、不動産に限らず、
特別法により、鉄道財団(鉄道抵当法)、工場財団(工場抵当法)、航空機(航空機抵当法)、
船舶(商法848条以下)、自動車(自動車抵当法)、建設機械(建設機械抵当法)等を対象とする抵当権もある。
抵当権消滅請求とは、抵当権が設定された不動産の所有権を買い受けた者(第三取得者)が、
抵当権者に、「代価を支払うので、抵当権を抹消してほしい」と請求すること。
抵当権付の不動産物件を、その所有者が、抵当権者ではない第三者(第三取得者と呼ばれる)に売った。
そのあとで、この第三取得者が、抵当権者に「相当の代価を払うので抵当権を抹消してほしい」と
頼むことを、抵当権消滅請求という。これとは順序が逆で、抵当権者のほうが、先に、その権利に相当する
金額を新しい所有者である第三取得者に請求し、その支払いがなされた場合、
その物件からは抵当権が消滅する。これを代価弁済という。
抵当権設定登記とは、住宅ローンを借りて家を新築、または購入したときに、債権者である金融機関が、
債務者のローン不払いなどの事態が発生した場合には担保不動産から優先して返済を受ける権利が
あることについて登記することを指します。抵当権設定登記は、一般に、債務者・債権者当人ではなく、
司法書士が代理で申請し、登記が完了すると登記簿の乙区に記載されます。
もし、そのあとで別の債権者に抵当権の設定が認められ、登記された場合は、期日の早い権利が、
遅い権利に優先します。つまり、第一順位の債権者がすべての債権に相当する配当を受けたあと、第二、
第三の抵当権者に配当が行われる。これを先願主義といいます。登記に必要な書類は抵当権設定契約書、権利証、印鑑証明書、司法書士への委任状など。抵当権を設定する時には登録免許税がかかります。
通常は債権額×0.4%。一定の条件に合うと税率が0.1%に軽減されます。
定方位とは、陰陽五行説を基本とする中国の占星学で、生まれ年の星によってその人が一生避けなければ
いけないとされる方位のことを指します。陰陽五行説を基本とする中国の占星学によれば、
人間は生まれ年によって、一白水星、二黒土星、三碧木星、四緑木星、五黄土星、六白金星、七赤金星、
八白土星、九紫火星の九つの星の支配を受けます。それぞれに定まった役割、運命があるとされるが、
定方位もそのひとつです。たとえば四緑木星の人の定方位は東南なので、その人が家の主人である場合、
東南の方位に玄関や水周りがあると災いを招くといわれています。
低率分離課税とは、10年以上所有したマイホームの譲渡に対して特例で適用される、通常より低率の
課税のことを指します。不動産を譲渡して利益を得たときには、その譲渡所得に対して所得税と住民税が
課税されます。税率は所有期間5年以内の短期譲渡所得は39パーセント、5年超の長期譲渡所得は
20パーセントだが、所有期間10年超のマイホームを売却した場合は特例で、譲渡所得6000万円以下の
部分のみ14パーセントという低率の贈与税となります。
引っ張る力には強いが空気中では錆びやすい鉄筋のまわりを、圧縮の力を受け持つアルカリ性の
コンクリートで覆って、付着により一体となるように考えられた「鉄筋コンクリート」を主要構造部に使用した
構造。耐火性・耐震性・耐久性に優れていることから、中低層集合住宅ではポピュラーな構造です。
一般には工事現場で型枠を組み上げ、コンクリートプラントで調合したコンクリートをミキサー車で
練り混ぜながら運んできて、ポンプ車でコンクリートを打設して造ります。
充分固まるまでには時間がかかるので、その間の工事現場での養生(ようじょう)も大事です。
鉄筋の入っていないコンクリートは無筋コンクリートといいます。
建物の骨組に鉄骨(steel)を組んで作った構造のこと。「S造」と略す。柱や梁をボルトや溶接で接合する。
耐震性は高いが鉄自体は耐火性が低いので、通常は鉄骨の周りに耐火被覆を施す。
鉄筋コンクリートに比べて軽いので、大型の工場や高層ビルに適している。小規模なビルや賃貸住宅でも
S造で建てられているケースがある。超高層マンションでも採用されるケースはある。
軽量鉄骨を使った一戸建てのプレハブ工法もある。
手付を交付することによって、後で契約を解除できるようにすることを手付解除といいます。売買契約や
賃貸借契約などで、相手方が履行に着手するまでは、手付金を支払ったもの(買主や借主)は手付金を
放棄し(手付流し)、相手方(売主や買主)は受け取った手付金の2倍を返却する(手付倍返し)ことで、
契約を解除できます。履行の着手とは、買主が代金の一部として内金を支払ったり、売主が物件の
引渡しや登記の準備を始めたことをいいます。また、この手付のことを解約手付といいます。
売買契約や賃貸借契約などを交わす際に、当事者の一方から相手方に対して交付される金銭その他の
有価物を「手付」といい、特に金銭の場合を「手付金」といいます。手付には大きく分けて次の3つの種類が
あります。
1、 契約成立の証拠となる「証約手付」
2、 手付を交付した者はそれを放棄し、相手方はその倍額を返却することによって、契約を解除することを
認める「解約手付」
3、 手付額を、債務不履行の場合の損害賠償の予定、または違約罰とする「違約手付」
また、「解約手付」も「違約手付」も「証約手付」を兼ねています。
どの手付かは当事者の意思表示で決まりますが、意思が不明な場合は「解約手付」と解されます。
なお、宅建業者が売主の場合、受領した手付はいかなる場合でも、「解約手付」と見なされます。
従来の玄関キーのような鍵山がなく、表面に深さや大きさの異なる小さなくぼみ(ディンプル)を付けた
形式のキーのことをいいます。シリンダー錠のひとつです。鍵違い数(配列組み合わせ)が1000億通り
以上と多いため、複製が困難で、防犯性に優れています。リバーシブルタイプと呼ばれるものは、
鍵の裏表がなく、抜き差しがしやすくなっています。
デザイナーズマンションとは、有名な建築デザイナーが設計したこだわりのマンションをいいます。
デザイナーが創り出す「作品」には、個性的なコンセプトがあり、斬新さ、気品、遊び心、伝統と近代の共存、空間の連続性など、さまざまな視点によって独特な空間が出来上がります。
そこには「他にない」こだわりや優越感などの付加価値があるといえます。デザイナーズマンションは
都心の賃貸物件中心に登場しましたが、現在では分譲物件でも高額物件を中心に増えてきました。
デザイン重視の建築物ですが、構造的な強度や品質においては一般的な物件と優劣があるわけでは
ありません。
デベロッパー(Developer)とは、開発事業者のことです。ディベロッパーともいいます。
不動産デベロッパーは、大規模な宅地開発、リゾート開発、都市開発、都市再開発、交通網の整備など
行う企業体です。不動産デベロッパーには、財閥系、私鉄系、金融・商社系、ゼネコン系、独立系など
さまざまな系列があり、それぞれに特長があります。例えば私鉄系では、沿線開発として歴史や実績を
もっています。デベロッパーは大規模な開発事業を担うため、街づくりのコンセプトやコンセンサスの形成、
設計・施工会社などのコーディネートなどにおいて高い能力が求められます
電気設備工事とは、配線を主とする電気工事のこと。分電盤から各部の末端へ電線を引き回す工事。
文化財保護法に基づき、伝統的建造物群及びこれと一体をなしてその価値を形成している環境を
保存するために指定される地区のこと。この地域内においては市町村の条例により一定の建築制限等を
行っている(文化財保護法83条の2、83条の3、建基法85条の2)。
登記事項証明書とは、登記事項を記した証明書のことで、不動産登記簿謄本と同等の効力を有する書面。
コンピュータ化された法務局では登記簿謄本の代わりに登記事項証明書が交付される。
一筆の土地、一個の建物ごとに記録されている登記記録を要約した書面のこと。従来は登記記録
(登記用紙)が紙で調製され、バインダー式の帳簿に閉じられており、これを登記所内の所定の場所で
閲覧することができたが、現在では大半の登記所がコンピュータ化されたため閲覧ができない。
そこで閲覧に代わるものとして、磁気ディスク上の登記記録の要約を、希望者が入手できるように
したものが登記事項要約書である。なお、登記事項要約書は、その登記所が管轄している区域内の
不動産に関して交付されるのみであり、他の登記所の管轄については交付されない。
これは閲覧制度の代替が登記事項要約書であるからだと考えられる。また、登記事項要約書は、
登記事項証明書よりも記載事項が少ない。
まず、現在の権利だけが登記事項要約書に記載され、過去の権利の発生・移転・消滅の履歴は判らない
状態になっている。また権利の発生原因(売買など)も省略されているので知ることができない。
また、登記の受付番号・受付年月日も省略されているので知ることができない。
不動産の物理的状況と権利関係を法的に記録(登録)した帳簿のことを登記簿といいます。
登記簿は土地と建物に分けられ、表題部と権利部(甲区と乙区)から成り立っています。(平成17年施行の
改正不動産登記法により甲区と乙区をまとめて権利部と呼ぶようになりました。)
不動産の物理的状況を示す表題部では、土地登記簿の場合、所在地の地番、地目、地積などが、
建物登記簿の場合、家屋番号、構造、床面積などが記載されています。また、甲区には所有権に関する
事項が、乙区には所有権以外の権利(抵当権など)が記載されています。
なお、登記簿のコンピューター化により、従来の紙への記載から電磁的記録(登記記録)へ移行しつつあり、
登記簿謄本は登記事項証明書に、抄本は登記事項要約書に移行しつつあります。
登記簿地目とは、登記簿に記載された地目のこと。単に「地目」ということも多い。なお、登記簿地目は
必ずしも現状の土地の利用と一致しない。
登記簿に記載されている面積のことを、登記簿面積といいます。土地の場合は「地積」、建物の場合は
「床面積」です。土地については、登記簿上の「地積」と実際に測量した面積(実測面積)とが違っていることが多いので、売買などの取引では、実測面積を求めることが必要になります。建物については、
一戸建てのような一般建物では「壁芯面積」(へきしんめんせき)が、マンションなどの区分所有建物では
「内法面積」(うちのりめんせき)が、登記簿上用いられています。「壁芯面積」は壁の中心線で囲まれた
面積で、また、「内法面積」は「壁芯面積」よりも壁の厚さの半分ほど面積が小さくなっています。
棟内モデルルームとは、現地の工事がある程度進んだ段階で、建物内の一部住戸を公開するもの。
仮設モデルルームより、参考になることが多い。分譲マンションの場合、売り出されるとすぐに
仮設モデルルームが作られ、一般公開される。多くは、現地の近くに設けられるので、そこを訪ねれば、
交通機関や最寄り駅からの徒歩時間なども把握することができる。しかし、やはり、実際のマンションの
棟内に設置される棟内モデルルームにはかなわない。日当たりや、窓からの景観などについて、
しっかりとチェックしておくようにしたい。
登録免許税とは、不動産登記をする際に課税される国税です。
登録免許税の納付は、現金で納付し、その領収書を登記の申請書に貼り付けて提出します。
ただし、税額が3万円以下の場合には、印紙納付ができます。
なお、2009年3月31日までに、住宅の建物や土地を購入したり新築した場合には、「所有権の保存登記」
「所有権の移転登記」「抵当権設定登記」において、登録免許税の軽減措置が受けられます。
木造建築物の土台から最上階の軒までを貫く、継ぎ目のない1本の柱のことです。
特殊価格とは、鑑定評価で求める価格の種類の一つであります。文化財等の一般に市場性を有しない
不動産について、その利用現況等を前提とした不動産の経済価値を適正に表示する価格のことを
特殊価格といいます。例えば、文化財の指定を受けた建造物、宗教建築物または現況が公共公益施設の
用に供されている不動産について、評価目的がそれを廃止または転用するのではなく、主眼を保存等に
おいた鑑定評価をする場合になります。
特殊な用途を持つ建築物のことで、例えば多数の人が集う建築物(映画館など)や衛生上・防火上特に
規制すべき建築物(汚物処理場など)などがこれにあたる。
建築基準法では、こうした建築物については、特に厳しい規制を設けてしている。
建築基準法によれば、次の用途の建築物が「特殊建築物」である(建築基準法別表第1)。
1)劇場、映画館、演芸場、観覧場、公会堂、集会場
2)病院、診療所、ホテル、旅館、下宿、共同住宅、寄宿舎など
3)学校、体育館、博物館、図書館、ボーリング場、スケート場など
4)百貨店、マーケット、展示場、ダンスホール、キャバレー、料理店、飲食店、遊技場、公衆浴場など
5)倉庫
6)自動車車庫、自動車修理工場、映画スタジオ
さらに上記の1)から6)だけでなく、危険物貯蔵場、と畜場、火葬場、汚物処理場なども特殊建築物に
含める場合がある(建築基準法2条2号)。
特定価格とは、正常価格の前提となる諸条件を満たさない場合における不動産の経済価値を適正に
表示する価格をいい、例示すれば、1.宗教建築物等の特殊な建築物の評価、2.会社更生法による
更正目的の財産の評価、3.担保として安全性を考慮することが特に要請される場合の評価において、
特定価格の評価が要請される。
特定街区とは、街単位で良好な市街地を形成するために、都市計画で指定される地区のことをいいます。
この地区の中では、良好な環境や建築物を整備するために、容積率・高さの最高限度・壁面の位置制限が
定められます。そのかわり、敷地単位では、容積率・建ぺい率・斜線制限等の制限が適用されないため、
設計の自由度が高まります。
「知事」や「市長」などのことである。
法律上の定義(建築基準法2条36号)によれば、建築主事を置いている市町村では、その市町村長のことを
「特定行政庁」と言い、建築主事を置いていない市町村では、その市町村が属する都道府県の知事が
「特定行政庁」となると定められている。
従って、原則的には人口が25万人以上の市では、市長が特定行政庁であり、それよりも小さな規模の
自治体では知事が特定行政庁であると言ってよい。
都市計画法における開発許可の対象となる、コンクリートプラント、ゴルフコース、テニスコート、墓園などの
こと。都市計画法では、建築物や工作物をつくる目的で宅地造成などを行なう場合には、開発許可を
受ける必要があると定めている(都市計画法第29条)。特定工作物は、この開発許可の対象となる工作物の
ことであり、次の2種類に区分されている。
1)第1種特定工作物
周辺の地域の環境の悪化をもたらすおそれがある工作物であって、都市計画法施行令第1条第1項に
規定されたもののこと。具体的には、コンクリートプラント、クラッシャープラント、危険物の貯蔵または
処理に供する工作物である。
2)第2種特定工作物
大規模な工作物であって、都市計画法施行令第1条第2項に規定されたもののこと。具体的には次のもので
ある。
ア)ゴルフコース(面積関係なし)
イ)1ha以上の野球場、庭球場、陸上競技場、遊園地、動物園その他の運動・レジャー施設
ウ)1ha以上の墓園
有害物質を排出しまたは生活環境に被害を生ずる恐れがあるような汚水等を排出する施設であって、
水質汚濁防止法施行令第1条で指定された施設のこと。全部で101種類の施設が特定施設とされている。
環境省の調べ(平成12年度)によると、こうした特定施設を設置している工場・事業場等(「特定事業場」と
いう)は、全国で約30万ヵ所にのぼる。多い業種は旅館(約7万ヵ所)、畜産(約3万ヵ所)、自動車洗浄
(約3万ヵ所)である。なおこうした特定施設のうち、土壌汚染対策法で定める25種類の特定有害物質を
使用する施設は「有害物質使用特定施設」と呼ばれ、全国で約2万7千ヵ所と推計されている。
特定防災街区整備地区とは、都市計画法に基づく地域地区のひとつを指します。密集市街地における
特定防災機能の確保や、防災を目的とした建築の規制を加えられるよう、地方自治体が指定する区域です。
2003年の改正都市計画法により創設されました。指定地区内での、具体的な規制などは、以下のとおり。
密集市街地において、延焼防止効果をより高めるため、建築物に対し、1. 防火性能や敷地の広さについて
制限を設ける、2. 建築物の個別の建て替えを適切に誘導する。また、道路、公園などの防災公共施設の
周辺については、1. 火炎が大きく周辺に広がらない町の形成を図る、2. 避難路・避難地としての機能を
高めるため、セットバックされた一定の高さや一定の建築物を誘導する。
用途地域では「特別用途地区」(文教地区や特別工業地区など)を設けてきめ細かな建築規制を
実施できるが、そもそも用途地域が定めれていないエリアでは「特別用途地区」を設けることができないと
いう問題があった。そこで平成12年に都市計画法が改正され、用途地域がないエリアでは、
「特別用途地区」に代わるものとして「特定用途制限地域」を設けることが可能になった
(都市計画法第9条第14項)。
「特定用途制限地域」を設けることができるのは次の2つのエリアである。
1)準都市計画区域の中
2)非線引きの都市計画区域の中で、用途地域がないエリア
「特定用途制限地域」では、好ましくない業種(例えばパチンコ店)の建築を禁止するというような
建築規制を実施することができる。
特別用途地区のひとつ。倉庫、トラックターミナル、工場などの集約的な立地をはかる地区である。
市町村が指定する。
特別用途地区のひとつ。もともと地元の中小工場が多いエリアについて、地元産業を振興するために
定める地区である。具体的には、工場と調和しにくい事業(例えば飲食店)の進出を規制したり、工場の
建設を容易にするような建築規制が実施される。市町村が指定する地区であり、建築規制の内容は
市町村ごとの条例で定められる(建築基準法第49条)。従って特別工業地区の詳細を知りたい場合には、
市区町村役所の建築確認担当部署に問い合わせる必要がある
昭和48年に創設された市町村税のことで、土地の有効利用促進や、投機的取引の抑制を図るために
設けられた税金。一定規模以上の土地を取得した者、または所有している者にかかる税金です。
ただし平成15年度以降の課税は行われていません。
都市計画法第8条第1項に列挙されている地域・地区のひとつ。用途地域の内部において、用途地域よりも
さらにきめ細かい建築規制を実施するために設定される地区であり、市町村が指定するものである。
かつては特別用途地区の種類は、文教地区、特別工業地区、厚生地区、特別業務地区、中高層階住居
専用地区、商業専用地区、小売店舗地区、事務所地区、娯楽・レクリエーション地区、観光地区、
研究開発地区という11種類に限定されていたが、法改正により現在ではこれら11種類だけでなくさまざまな
特別用途地区が市町村の判断により設置することができるようになっている。
昭和56年、日本住宅公団と宅地開発公団を合併して住宅・都市整備公団が設立、さらに
平成11年10月1日に都市基盤整備公団と改称された。公共公益施設整備と一体となった既成市街地等の
再開発、既存賃貸住宅の建て替えや住宅改善等によるストックの有効活用、市街地の整備改善と一体に
なった防災公園の整備等を行っている。
都市居住再生融資とは、都市再生に向けた「まちづくり」を支援するため、住宅金融公庫が行っている
融資制度。募集広告等に「住宅金融公庫融資付(都市居住再生購入資金融資)」という表示がある
新築マンションなどで利用できる。都市居住再生融資の特徴は、年収にかかわらず、所要資金の8割まで
融資を受けられるという点。マンション購入融資など他の公庫融資では、年収800万円以上の場合は、
融資額が所要資金の5割までに制限されるが、都市居住再生融資にはそうした制限がない。
申込条件は「申込日現在70歳未満」、「毎月の返済額の5倍以上の月収がある」など。
近隣住宅と共同して住宅を建て替える場合なども、利用できるケースがある。
都道府県が都市計画区域に関して5年ごとに実施する調査で、都市計画区域における人口、
産業別就業人口、市街地面積、土地利用、交通量、地価など多種多様な項目が調査対象となっている
(都市計画法第6条、都市計画法施行規則第5条)。
都市計画区域とは、都道府県が都市計画の対象として指定した区域のことをいいます。
指定された区域では、原則として都市計画が策定され、開発行為が規制されます。
都市計画税とは、市街化区域内の不動産にかかる地方税のことです。この都市計画税は、
都市計画事業や土地区画整理事業などの費用を目的としています。税率は0.3パーセント以下ですが、
市町村によって異なります。
納付期限は固定資産税と同じで、毎年1月1日現在の所有者に課されます。固定資産税と同様に、
一定の条件に合えば、土地に対する課税標準額を軽減(敷地面積200平方メートルまでは3分の1、
それ以上は3分の2)に軽減する措置があります。
都市計画法とは、都市が健全に発展し秩序のある整備がなされるように制定された法律のことをいいます。
この法律には、都市計画の内容およびその決定手続、都市計画の制限、都市計画事業その他都市計画に
関して必要な事項が定められています。都市計画法は1968年の制定以来、何度か大きな改正が
行われています。1998年の改正では都市計画は地方自治体の仕事となり、その後、都市計画区域
マスタープランの創設、民間による都市計画提案制度などが導入されました。2006年の改正では、
人口減少・超高齢化社会の到来を前提として大規模集客施設などの規制が強化されました。
都市機能の高度化及び都市の居住環境の向上を図るため、官民一体となって都市再生に取り組むことを
目的として平成14年6月1日より施行された法律です。都市再生の拠点となるべき
「都市再生緊急整備地域」が政令で指定されると、その地域内で国土交通大臣認定を受けた
民間事業者による都市再生事業の計画は、金融支援等が受けられます。
都心3区とは、千代田区、中央区、港区のこと。
都心5区とは、千代田区、中央区、港区、の都心3区に、新宿区、渋谷区を加えて呼ぶ場合の呼称を
指します。2005年3月7日、東京都が、2005年1月に都内で着工した新設住宅の着工状況について発表した。それによると、千代田区、中央区、港区のいわゆる都心3区で、その件数は前年度同月比67.8%増と
大幅な増加となりました。これは、都自体の新設住宅の着工数が減少していることを考えると、
際立った数字と言えます。また、2004年上期の、首都圏における投資向きマンション
(ワンルームマンションが中心)の供給戸数は、前年度比13.8%と増加したが、そのうちの66.0%を都心5区が
占めました。近年流行の狭小住宅やコンパクトマンションも、都心に集中していることを考えれば、
これらのことは、都心回帰といわれる現象を裏付けているといえます。
塗装工事は、外観と、部屋のイメージを決める、仕上げ工事のひとつ。しかし、塗料を使うので、
とくに内装の場合は化学物質の放散に注意。
土地家屋調査士とは、不動産の「表示に関する登記」について、調査、測量、登記を行う有資格者です。
不動産の登記には、「表示に関する登記」と「権利に関する登記」があります。「表示に関する登記」は、
土地や建物の所在、地番、地目、地積、床面積などの物理的状況に関する表示です。
「権利に関する登記」は、表示の登記された不動産についての、所有権など権利関係に関する表示です。
「権利に関する登記」は司法書士が行うのに対して、「表示に関する登記」を行うのが土地家屋調査士です。
土地家屋調査士は、調査・測量・登記の代行を行うほか、境界に関する鑑定人の役割なども担います。
法律に関する知識と測量などの技術の両方が必要で、資格を有する人の多くが一級建築士、
二級建築士、測量士などの資格を併せ持っています。
土地区画整理事業を行なう事業主体になることができるのは、個人、土地区画整理組合、都道府県、
市町村、国土交通大臣、都市基盤整備公団等に限定されている(土地区画整理法第3条)。このうち、
土地区画整理組合とは、土地区画整理事業の施行される区域内の宅地所有者と借地権者が組合員と
なる組合であり、都道府県知事の認可によって設立される。この土地区画整理組合を設立するには、
区域内の宅地所有者と借地権者のそれぞれ3分の2以上が事業計画に同意することが必要である
(土地区画整理法第18条・第19条)。しかしこの土地区画整理組合がいったん設立されると、事業計画に
同意した所有者・借地権者だけでなく、事業計画に反対した所有者・借地権者も強制的に組合員とされる
(いわゆる強制加入方式:土地区画整理法第25条)。このように土地区画整理組合を設立することで、
区画整理を迅速に実施できる仕組みとなっている。
土地区画整理法とは、道路、公園、河川等の公共施設を整備・改善し、土地の区画を整え宅地の利用の
増進を図る(土地区画整理事業)ための法律。土地区画整理事業の対象となる区画にある土地・建物は、
移転することがある。
不動産の表示における土地面積とは、土地を真上から見下ろして測った面積をいう。したがって、斜面や
凹凸を無視して計算されている。
取引事例比較法とは、不動産鑑定評価の1つで、取引事例情報を元に対象不動産の試算価格を求める
方法です。
この手法では、多数の取引事例を収集して適切な事例を選び、取引の特殊事情や時期の修正を行い、
取引事例の個別的要因を標準補正し、さらに地域格差などを比較して価格を求めます。このようにして
求められた試算価格を比準価格といいます。
取引態様とは、不動産の取引における宅建業者の関与の仕方のことをいいます。関与の仕方によって、
売主・貸主・代理・媒介(仲介)があります。宅建業者は、不動産取引に関する広告をするときは、この
取引態様を明示する必要があります。また、その取引を注文しようとする顧客に対して、取引態様を明らかにしなければなりません。これは、取引態様によって、宅建業者の権限や行為の効果が違ってくること、
また、報酬額にも違いが出てくることから、注文者の利害にもかかわる重要事項だからです。なお、
この義務に違反した業者は、業務停止処分(情状が特に重い場合には免許取消処分)に処せられます。
トルエンとキシレンは、揮発性有機化合物(VOC)の一種で、シックハウス症候群や大気汚染の
原因物質です。トルエンは揮発性が高く、塗料や接着剤の溶剤に広く用いられています。キシレンは
通常混合キシレンをいいますが、「シンナー臭」が特徴で、塗料やインキ、接着剤の溶剤に広く使用されて
います。どちらも人体に有害な影響があり、倦怠感・頭痛・不眠症・興奮等の神経症状などを引き起こす
ことがあります。厚生労働省の指針値ではトルエンは0.07ppm、キシレンは0.20ppmとされています。
なお、トルエンやキシレンは適切に換気すれば、2週間ほどでかなりな量が放散します。
またトルエンは空気より重い物質ですが、室内に拡散するので、高濃度なトルエンが床などに
たまることはないとされています。
胴差しとは、木造建築で、2階の床を作るための部材を指します。1階の床を支えるのが土台なら、
2階の床の土台ともいえるのが胴差し。外壁の周りにあって、通し柱と通し柱をつないでいます。
構造的には、屋根の荷重は通し柱に任せ、なおかつ、2階床の荷重を、通し柱を通じて下へ伝える形に
なっている。なお、2階を支えると同時に耐力壁である外壁を造る大切な部材でもあります。
動線(ドウセン)とは、日々の暮らしでの人の動きを線で表したもので、炊事・洗濯などの「家事動線」、
お風呂・トイレなどの移動を表す「生活動線」、お客様の移動を表す「来客動線」などがあります。
暮らしやすい間取りを考えるには、動線を短くしたり、他の種類の動線と交わらないようにすると
良いといわれています。
道路付けとは、敷地のどの方角に道路が接しているのかを表したもののことをいいます。接道条件とも
いいます。不動産広告などでは、例えば、南側6メートル公道、東側5.5メートル幅公道アスファルト舗装と
いうように、その道路の幅員なども併せて表示されています。この例のような東南角地が、日照・通風・
開放感などの点で最も条件が良いとされており、価格設定も割高になります。
道路斜線制限とは、建築基準法に定められる斜線制限のひとつで、道路に面した敷地で建物を
建てるときの高さの上限規定のこと。前面道路の幅員との関係で、用途地域や容積率に応じて定められる。
汚染土壌について、土壌の直接摂取による健康被害の恐れがある場合における土壌汚染の除去等の
措置のひとつ。土壌を掘削して地表面を低くし、法定基準に適合する状態の土壌により覆うことである。
「指定区域外土壌入換え」と「指定区域内土壌入換え」という2種類の方法がある。
土壌汚染対策法とは、土壌汚染の状況把握と人への健康被害の防止を目的とした法律です。
近年、工場跡地の再開発にともない、有害物質による土壌汚染が次々と判明し、健康への影響が
懸念されたことから、2002年に制定されました。土壌汚染対策法では、土壌汚染の可能性のある土地に
ついて調査を行い、汚染状況が基準に適合しない土地は、「指定区域」として台帳を作成し、
閲覧できるようにします。また、汚染状況が人の健康被害におよぶ可能性がある場合には、土地の
所有者に汚染除去を命じ、その費用については原因となった企業や人に請求されます。
また、土壌汚染指定区域内での開発行為は事前に届出をさせ、基準に適合しない場合には
計画変更を命ずるというものです。
土台とは、建築物の最下部に設えた材木のことです。木造建築物において、柱の下部を連結して上部の
荷重を基礎に伝えるため、水平に組まれた材木をいいます。基礎の上に材木を寝かせて固定します。
土台には、外周部に設けられる側土台と間仕切り部分に設けられる間仕切り土台があります。
土台は構造上重要なものの1つで、通常は耐久性を高めるために、防腐処理や防蟻(ぼうぎ)処理を施します。
地下室がある建物において、建物の周囲の地面を深く掘り下げて作った「から掘り」のことを指します。
採光や通風、防湿を目的としています。建築基準法では、衛生上の問題から、地下室には原則として
ドライエリアを設けることを定めています。プライバシーを守るためや、雨水の侵入防止のため、
ドライエリアの地上部分には腰壁が設けられることが多くなっています。
最近では省スペースでできる、深さの浅いミニドライエリアも多く採用されていますが、
地上と同じ条件としてみなされるには、奥行き1メートルは必要です。
防火設備の一つ。建物に隣接する外部で火災が起きたとき、延焼による被害を防ぐために、
建物外周部などに設置した散水ノズルから圧力をかけた水を放出することで水膜(放射水滴)を張る装置。
水を噴霧させる散水ノズルを「ドレンチャーヘッド」といい、屋根、外壁、窓上、軒下などにつける。
寺社などに設置されることが多い。またドレンチャーと同様の水膜を、屋内の舞台と客席の間に設ける
ものを「開放型スプリンクラー」という。